北朝鮮国内で「退廃的な行為」が目に余るとして、当局が対策に乗り出したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア（RFA）が報じている。
咸鏡北道（ハムギョンブクト）のある幹部情報筋はRFAに対し、「奉仕機関（レストラン、公衆浴場など）で退廃的な行為が続いていることに関連した中央の指示文が下達された」とし、「朝鮮労働党と政権機関、司法機関は中央の指示文を執行するためサービス機関網に対する集中検閲をこの夏から進めている」と語っている。
さらにこの情報筋は、「今回出された中央の指示文の対象には、党や軍など奉仕機関を運営するすべての単位が含まれている」とし、聖域なき徹底した検閲が進められていることを強調した。
ところで、「退廃的な行為」とは具体的にどのようなものか。
RFAによれば、主としてレストランに設けられた個室での性売買や賭博を指しているらしい。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮では、こうした行為がかなり前から行われてきた。新義州（シニジュ）、清津（チョンジン）、咸興（ハムン）など地方都市では2000年代に入り、旅館やサウナ、公衆浴場、カラオケルーム、レストランなどがその現場になった。また新型コロナウイルスの流行前には、大量に訪れていた中国人観光客を相手とするカラオケ店も多数営業していた。そのサービスの暴走ぶりに「中国人客が卒倒した」などという話も漏れ伝わっていた。
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中でもマッサージ屋やサウナは、最初からこうした商売を行なう目的でオープンしたものまであった。駅前には、数多くの客引きがいて、客を店に案内していた。特に元山（ウォンサン）では、レストランの地下に秘密部屋を作り、若い女性を雇い入れ行為をさせていたとしてオーナーと関係者が処刑されたこともあった。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面2007年10月、中国・丹東で韓国デイリーNKの取材に応じた北朝鮮の貿易関係者パク・サンジン（仮名）氏は「女性がいる高級レストランは接待と商談の両方に使える」とし、「特に他人に聞かれたくない客との商談には便利なので頻繁に利用していたが、当局が仕切りやドアの撤去を指示したため、行かなくなった」と語った。
また、「地域の保安員（警察官）は、レストランとカラオケルームを頻繁に訪れて店内の確認を行い、密室があれば営業を中止させ、オーナーを連行している。しかしこのような措置は、どうせ長続きしないだろう」と疑問を呈した。「当局がいくら密室を撤去させても、カネを儲けようとするオーナーや女性がいる限りは、根絶は無理だからだ」。