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北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、北朝鮮に向けた体制批判のビラ散布、いわゆる「対北ビラ」をめぐり、「戦争開始に先立って行われる事実上の先制攻撃行為である」と反発するキム・ユンミなる人物の論評を配信した。

対北ビラをめぐっては、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長がビラ散布に対する法規制などの措置を要求し、2020年6月には開城工業団地内にあった南北共同連絡事務所の爆破などで揺さぶりをかけた。同年12月、韓国の文在寅前政権は対北ビラ禁止を盛り込んだ「南北関係発展に関する法律」の改正案を可決した。この法は制定当時から「表現の自由を侵害する」として違憲をめぐる議論が巻き起こっていたが、2023年9月憲法裁が「過剰禁止原則に違反し、表現の自由を侵害する」という理由で違憲決定を下し効力が停止された。

論評は、「ビラ散布は、交戦一方が相手を無力化させる目的で繰り広げる高度の心理戦であり、戦争開始に先立って行われる事実上の先制攻撃行為である」と反発した。

また、「逆賊一味は、『脱北者』のくずらが飛ばした反朝鮮ビラ散布によって2014年の火力武器による交戦、2020年の北南共同連絡事務所の完全破壊という結果が生じた事実を覚えているはずである」と主張した。

さらに、「人間のくずらの汚らわしい物品による悪性伝染病の流入によって建国以来初めてとなる大動乱の事態を経たわが人民の憤怒はすでに最高潮に達した状態である」と述べた。北朝鮮は、新型コロナウイルスは対北ビラなどを通じ韓国側からもたらされたと主張している。

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そのうえで、「一点の火種によっても爆発しうる一触即発の現情勢の下で、わが国家の存立と発展を悪辣に謗る敵対的な心理戦がわれわれとの境界線地域で強行される時、朝鮮半島で欧州と中東で起こった事態のような軍事的衝突が発生しないという保証はない」とし、「反朝鮮ビラ散布をはじめとする心理謀略戦はすなわち、『大韓民国』の終えんの『起爆剤』に働くであろう」と強調した。