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金正恩総書記が昨年8月、新型コロナウイルスとの「非常防疫大戦」における勝利宣言を行った北朝鮮。その後も、コロナを疑わせる感染症がしばしば発生しているが、当局はコロナが再発したとは絶対に認めようとしない。

そもそも検査を行わないので、コロナかどうかは不明だが、よしんば検査を行って陽性が出たとしても、当局が認めることは絶対にないだろう。金正恩氏の勝利宣言を覆す「反動的行為」とみなされてしまうからだ。

(参考記事:北朝鮮北部で増える高熱患者、病院はコロナと一切認めず

ここ最近でも、北部の両江道(リャンガンド)や慈江道(チャガンド)で発熱患者が増え、解除されたばかりのマスク着用義務が復活し、移動統制が強化されていると報じたが、ようやく落ち着きを見せつつあるようだ。

(参考記事:北朝鮮・慈江道でコロナ患者発生、マスク着用義務が復活

両江道のデイリーNK内部情報筋によると、発熱患者の発生により道内の市と郡に出されていた移動統制が今月7日午前10時をもって解除された。商売に多大な影響を受けていた商人たちは、移動統制解除に胸をなでおろしている。

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中でも大喜びしているのは、貿易業者だ。もともと、7月27日の戦勝節(朝鮮戦争休戦協定締結日)を過ぎれば恵山(ヘサン)税関の業務が再開され、貿易が本格的に復活することになっていたが、熱病発生などにより延期されていた。3年以上待たされた業者が、さらに待たされることとなり、絶望の声を上げていたが、移動制限解除の知らせを聞き、重苦しかった空気が消えつつある。

川向うの中国には、品物を満載したトラックが、税関が開くのを待ち続けている。正式に再開となれば、貿易都市の恵山はある程度、活気を取り戻すだろう。

また、今月3日から7日まで閉鎖を命じられていた市場も再開を認められ、「われわれを殺す気か」と激怒していた商人たちの怒りも収まりつつある。恵山市民のほとんどが多かれ少なかれ貿易に絡んだ仕事をしているとあって、過去3年、あまり絶望の淵に追いやられていた。それだけに移動制限解除、市場再開の報を聞き、「もう大丈夫だ」「生き返った」と歓声を上げている。

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ただ、道内全域の統制が緩和されたわけではなく、熱病患者が発生した地域は未だに封鎖されており、「ロックダウンは不安を煽るだけ」との反応を住民は示している。

「コロナをブロックするとの名目で国境を封鎖して、厳しい生活に追い込まれた人々にとって『封鎖』の二文字は悪夢そのものなのだ」(情報筋)