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北朝鮮は今月から、国境に接した地域におけるマスク着用の義務を撤廃した。また、今まで閉じられていた北部の恵山(ヘサン)税関が近々再開されるとの情報が伝わり、今まで極端なゼロコロナ政策で苦しめられてきた人々が大喜びしている。

中国との間では、現在は物資の行き来に限られているが、まもなく人の行来も再開されるかもしれない。それは、貿易や密輸に携わっている人々には朗報だが、脱北者にとっては悪夢そのものだ。

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韓国政府系シンクタンク、統一研究院の趙漢凡(チョ・ハンボム)研究委員は、自身のYoutubeチャンネルである「大同江TV」で、数多くの脱北者がロシアと中国の北朝鮮大使館に監禁されていると述べた。

趙研究委員はロシアと中国の消息筋の話として、先月4日にウラジオストクで消息を絶った北朝鮮レストラン「高麗館」の代理支配人、キム・グムスンさん(43)と、息子のパク・クォンジュさん(15)が、現在モスクワの北朝鮮大使館のゲストハウスに監禁されていると伝えた。ゲストハウスとは名ばかりで、実際は牢屋だ。

キムさん親子は昨年10月、副支配人のキム・ビョンチョルさん(51)が脱北し、同年12月にロシア連邦保安庁(FSB)に逮捕され、領事館に身柄が引き渡されたことをきっかけに、ウラジオストク駐在の北朝鮮領事館に拘禁されていた。

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北朝鮮の国境が開放されれば、3人は強制送還させられ、キム・ビョンチョルさんは恐らく処刑、キムさん親子も何らかの処罰を免れないため、それを恐れて母子は脱出を試みたと見られる。しかし、ウラジオストクに程近い都市でFSBに逮捕され、北朝鮮側に身柄を引き渡された。

モスクワの北朝鮮大使館には、キムさん母子以外にもウラジオストク駐在の北朝鮮領事館の職員、ITエンジニアも監禁されている。領事館職員がキムさんの夫であるかは不明だ。また、ITエンジニアの身元も明らかになっていない。

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趙研究委員はまた、中国の北京の北朝鮮大使館にも、多くの脱北者が監禁されていると伝えた。そこにはITエンジニア1人、中国国内の北朝鮮レストランで売春を行っていた女性従業員、そして、ヨーロッパで脱北したと報じられた家族が監禁されている。いずれの身元も明らかになっていない。