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北朝鮮では昨年8月、金正恩総書記が国内で感染が広がった新型コロナウイルスとの闘いである「最大非常防疫戦」に勝利したと高らかに宣言した。

それ以降も、コロナを疑わせる症状を見せる人が相次いでおり、首都・平壌では5日間のロックダウンが行われた。しかし、医師はコロナと診断できない。金正恩氏の宣言を覆すことになるからだ。

(参考記事:金正恩氏「ゼロコロナ」宣言でコロナとの診断が不可能になった北朝鮮の病院

そのため、北朝鮮のコロナ感染の現状は全く不明だが、その一方で、コロナ後遺症(ロングコビッド)に苦しむ人が増えているという。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、コロナに感染したのに薬が全くなく、治るまでただ耐えるだけだった人の間で後遺症が深刻だと伝えた。

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ちなみに情報筋の話では、主な症状として疲労感、運動後の倦怠感、認知機能の低下、咳、呼吸困難などが挙げられる。これは典型的なコロナ後遺症の症状だ。

ただし、後遺症の定義は明確でなく、り患中の解熱剤などの服用と後遺症の軽減との間に因果関係があるかもわかっていない。ただ、北朝鮮国民の多くがワクチン接種を受けられず、その状態で感染し、抗体がなかったために、後遺症がひどくなっている可能性は考えられる。

(参考記事:ワクチン接種を巡りワイロが飛び交う北朝鮮のコロナ最前線

後遺症は子どもやお年寄りなどがより深刻なようだ。情報筋の住む人民班(町内会)では、後遺症に苦しむ人が複数存在し、ほとんどが子どもやお年寄りとのことだ。そもそも医薬品が不足しているため、対処療法すら受けられていない。

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病院で診察を受けようにも多額の費用が求められるため、深刻な食糧難の今、病院に行くことは容易ではない。かくして「コロナも我慢、後遺症も我慢」というひどい状況となっている。

(参考記事:北朝鮮が病院に対する実態調査「医師からのワイロ要求が常態化」