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新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、2020年1月16日に運行を中断した北朝鮮と中国を結ぶ国際貨物列車。今年1月16日に運行を再開したが、中国でのコロナ感染再拡大に伴い、4月29日に再び中断。そして、9月25日に改めて再開された。

10月の中旬まではアルミサッシ、タイル、照明器具など建設資材や医薬品が北朝鮮に運び込まれていたが、最近になって貨物の内容が変わりつつある。中国のデイリーNK情報筋が伝えた。

(参考記事:中国発・北朝鮮行きの貨物列車、150日ぶりに運行再開

今でも建設資材は多く輸入されている一方、8月に「非常防疫大戦で勝利した」と金正恩総書記が宣言したにもかかわらず、依然としてマスクや抗生剤なども多く輸入されている。だが、貨物全体の半分以上を占めるのは食料品だ。

その内訳は、味噌、醤油、トウガラシの粉、砂糖、化学調味料、酢、ニンニク、大豆など。冬の間に食べるキムチを大量に漬ける「キムジャン」に使う材料と思われる。一方で、コメや小麦粉といった穀物は輸入されていない。

これはキムジャンの材料が中央の高位幹部用で、厳しい食糧難に喘ぐ庶民のための食糧は輸入されていないことを示す。

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(参考記事:ついに「金正恩の米屋」も在庫ゼロ…食糧難が限界に

北朝鮮に輸出した実績のある中国の貿易業者の間では、建材、医薬品から食料品に品目が拡大したことで、一時は完全な凍結状態だった中朝貿易が再び活発化し、ビジネスチャンスが到来することへの期待が広がっている。ただ、コロナ前のような個人業者間の取り引きではなく、北朝鮮の機関を通じた取り引きが広がるものと見られている。

一方、北朝鮮から中国への輸出だが、現時点では再開されていない。かつては中国の業者が北朝鮮の業者に衣類、ウィッグ、つけまつげなどを加工させて、中国から「メイド・イン・チャイナ」のタグを貼って輸出する形の加工貿易が盛んに行われていた。

(参考記事:あなたの「つけまつげ」は北朝鮮の刑務所製品かもしれない

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なお、中国海関(税関)総署が10月24日に公表した9月の両国の貿易額は、1億427万ドル(約154億3000万円)で3ヶ月連続で増加している。