中朝国境で連日、深夜に銃声…北朝鮮住民「いつ撃たれるか心配」

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北朝鮮北部にある両江道(リャンガンド)の中国との国境沿い地域で最近、深夜にかけて銃声が響き渡る出来事が続き、地元住民を緊張させたと、デイリーNKの現地情報筋が伝えてきた。

北朝鮮は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、国境を封鎖。中央当局は国境警備隊に対し、国境沿いの緩衝地帯に近づく対象に無条件で銃撃を加えるよう指示するなどし、実際に射殺された人も少なくない。

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そうした事情がある上、このところ朝鮮人民軍(北朝鮮軍)が相次ぎ弾道ミサイルを発射したことを一般国民もすでに知っているため、地元住民らは「何事か」と身構えたようだ。

結論を言えば、銃声は地元に駐屯する国境警備第25旅団隷下の大隊が実弾射撃訓練を行ったことによるものだった。ただ、国境警備隊がこの時期に、しかも夜間に実弾射撃訓練を行うのは異例であり、やはり国民に緊張感を与える意図があったのではないかと、現地の人々は解釈しているという。

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情報筋によれば、実弾射撃訓練が行われたのは今月12日から14日までの3日間。夜間に行われたのは、昼間の警戒任務に支障をきたさないようにするためだという。

北朝鮮では、最前線(韓国との軍事境界線)部隊と特殊部隊を除く一般部隊では通常、冬季・夏季訓練の終盤にのみ実弾射撃訓練を行うという。現在はそれらの時期に当たらない上に、軍部隊とは別組織の国境警備隊が夜間に実弾射撃訓練を行うのは異例中の異例だ。

そのため地元で数十年も暮らしてきた住民らは、「何があったのかは分からなくても、情勢がよほど緊張しているかはわかる」と口々に語っていたとのことだ。

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一方、昼夜にわたり任務と訓練をこなすことになった警備隊員らは、疲労困憊しているという。

昼間の警戒任務を終えた兵士らは、休む間もなく徒歩で1時間半の距離にある射撃場に移動。訓練を終えて兵舎に帰ると、わずかな睡眠しか取れないまま再び警戒任務についた。

情報筋は「国境警備隊が今回のように突然、夜間射撃訓練を行ったのは初めてだ。射撃訓練期間でもないのに、警備隊員たちが実弾を撃っているという話が伝わると、地元住民らは『国境沿線での行動に気をつけなければならない』『いつ撃たれるかわからない』と口々に語っていた」と伝えた。