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徹底した秘密主義を取っている割には、情報の海外流出が頻発する北朝鮮。

国内で配布する様々な文書、書籍など、特に問題にならなそうなものまで含めて、公式に公表したもの以外は、国外への持ち出しを一切許していない。しかし、厳しい取り締まりを繰り返しても根絶できない中国キャリアの携帯電話を通じて、様々な文書が流出してしまう。

(参考記事:機密文書の国外流出を戒める文書が国外流出してしまう北朝鮮

業を煮やした当局は、自首を促す作戦に乗り出した。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、中国との国境に接した龍川(リョンチョン)で、保衛部(秘密警察)の幹部が、住民会議で、反社会主義的敵対行為で金儲けをしている者は今月末までに自首せよと呼びかけたと伝えた。

反社会主義的敵対行為について、この幹部は「国境地域で中国の携帯電話を隠し持ち、ウィーチャット(中国のメッセンジャーアプリ)で南朝鮮(韓国)とつながり、わが党の政策の講演資料と学習提綱(レジュメ)を画像で送り売り払う行為を指す」と説明した。

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このような行為を行っても、自首すれば許されるが、最後まで自首せずに摘発されれば、国家反逆罪に問われ、家族もろとも管理所(政治犯収容所)に送られると警告した。

(参考記事:男たちは真夜中に一家を襲った…北朝鮮の「収容所送り」はこうして行われる

幹部は、自首するにあたって、講演資料と学習提綱はどの幹部から入手したかを明らかにせよと述べたが、これを聞いた住民は、「自首と寛大な措置をエサに、党幹部の粛清に乗り出そうとするのではないか」と緊張している。

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同様の自首呼びかけは、他の地域でも行われている。

平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は、成川(ソンチョン)郡の邑(郡の中心地)で、保衛部幹部が住民会議を開き、中国の携帯電話で南朝鮮と通話し、講演提綱など朝鮮労働党宣伝扇動部の出版物を南朝鮮に売り払う行為を「敵対分子との内通」と定義した上で、今月末までに自首するよう呼びかけたと伝えた。

なお、資料を売り渡した一般住民は許されるが、資料を手渡した幹部は許されないとも付け加えた。情報の海外流出をネタにした、党幹部に対する粛清を疑わせる点だ。

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なお、成川は国境からも海からも遠く離れた地域で、中国の携帯電話を持っていたとしても、許可を得て国境に接する地域に行ってからでなければ、使用できない。そんな地域でも、自主呼びかけが行われるのは、情報流出が全国的に起きていることをうかがわせる。

情報筋によると、この手の自首呼びかけは毎年繰り返されているとのことだ。全く効果がないということだろう。

(参考記事:変わらぬ北朝鮮、6人銃殺。理由は「電話帳を売ろうとしたから」