ここまで飢えが…北朝鮮「山奥の洞窟」で起きた衝撃事件

「人民班(町内会)が行方不明の通報をしても、安全部(警察署)は発見に至らなかったが、山奥の洞窟で死んでいる家族が次々に発見された」(パクさん)

このような状況下、当局はどのような対策を打ち出しているか。この問いに対し、3人が挙げたのは「自力更生」だ。

(参考記事:【北朝鮮国民インタビュー】自力更生を叫んでばかりの政府は無能

つまり、地域住民が近隣に目を配り、煙突から煙が出ていない――つまりは食事の準備をしている様子のない家を見たら、たずねて行って事情を聞き、助け合おうと呼びかけているという。

これはつまり、当局は食料配給などの措置を取らず、対策を住民に丸投げしているということだ。

朝鮮労働党会寧市委員会や人民委員会(市役所)の役人は地域を周り、「飢えている世帯を把握せよ」と講演をするばかりだと、リさんは伝えた。

例年なら、麦の収穫が始まる初夏になれば、食糧事情はいくぶん落ち着くが、住民の間では「状況は改善しないだろう」と悲観的な話が聞かれるという。

「苦しい人々の間では、『子どもにトウモロコシ飯に味噌だけでも1日3食食べさせられれば、安心して死ねる』との話が交わされている」(キムさん)

一方、パクさんは、コチェビ(ストリート・チルドレン、ホームレス)が急増したことについて触れた。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

「市場にあるころからコチェビが増え、糾察隊が全部追い出したのだが、今ではどこかに姿を消してしまった」(パクさん)

北朝鮮が2020年1月、新型コロナウイルス対策として国境を閉ざして以降、同国内の様子を把握することは極めて難しくなっている。経済難と食糧難に苦しむ国民の現状は、どこまで苦しいものになっているのだろうか。