金与正氏「直属の上司」を処刑か…党と国会の最高幹部

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脱北者で、北朝鮮の深層情報の入手に関して定評のある韓国紙・東亜日報の記者、チュ・ソンハ氏は8日、自身のYouTubeチャンネルで、北朝鮮の朴泰成(パク・テソン)朝鮮労働党宣伝書記が処刑された可能性が高いと伝えた。

事実なら、きわめて衝撃的な情報だ。朴泰成氏は、今年1月の第8回党大会の時点で党政治局の序列1位であり、党中央委員会の宣伝扇動部長や日本の国会に当たる最高人民会議議長を歴任した文字通りの最高幹部だ。処刑されたとしたら、金正恩総書記の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が2013年に処刑されて以降、最高位の人物と言えるかもしれない。

もっとも、この手の情報を公開する際には絶対の自信を持って断言するチュ氏だが、今回の情報については「信頼度は80%程度」だとしている。誤りである可能性もあるということだが、それでも相当、自信を持っているように見える。

党宣伝扇動部と言えば、金正恩氏の妹・金与正(キム・ヨジョン)副部長の所属部署である。彼女が脱北者団体の対北ビラ散布を巡って韓国政府を激しく口撃するのも、同部の副部長として対韓国の心理戦を担当していると見ることができる。

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朴泰成氏は1月の党大会に際して同部長に任命されたことが発表されたが、党機関紙・労働新聞の4月12日付の報道により、リ・ドゥソン氏が部長となっていたことが明らかになった。それでも党宣伝書記は、同部を統括する責任者だ。つまりは金与正氏の直属の上司に当たるわけだ。

気になる処刑の理由は、行政上の落ち度が問題にされたもようだが、チュ氏はこれについて「表面的なものに過ぎない」と指摘する。本当のところ何が理由となったかは不明だという。

朴泰成氏の動静を巡っては、少し前から韓国メディアでも失脚説が流れていた。北朝鮮では3月に市・郡党責任書記の講習会が、4月には党細胞書記大会が開かれた。いずれも、党宣伝書記が必ず出席すべき行事であるにもかかわらず、朴泰成氏の姿が見えなかったからだ。処刑は100パーセント確実な情報ではないかもしれないが、彼の立場に異変が起きたのは事実に見える。

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チュ氏はYouTubeで、金与正氏が歴代の宣伝扇動部長たちと葛藤を抱えてきたと指摘した。もしかしたら朴泰成氏の失脚の原因も、金与正氏にあるのだろうか。