「民主主義に反する愚行」訪米控える文在寅に米議会から逆風

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青瓦台(韓国大統領府)は16日、文在寅大統領が5月下旬に訪米し、米国のバイデン大統領と首脳会談を行うと発表した。康珉碩(カン・ミンソク)報道官は「強固な韓米同盟の持続的発展などについて深く議論することになる」と強調したが、内心では気が気でないかもしれない。

日本政府が東京電力福島第1原発の処理済み汚染水を海洋放出する方針を決めたことに対し、韓国政府は猛反発。米国に理解を求めたが、訪韓したケリー特使に突き放されたのは周知のとおりだ。

また、読売新聞の2日付の報道によると、米国のサリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、韓国の徐勲(ソ・フン)青瓦台国家安保室長に対してクアッド参加を強く求めたという。しかし、中国の反発を警戒する韓国は、クアッド参加に及び腰だ。

そしてもうひとつ、韓国政府は対米関係で頭痛のタネを抱えている。北朝鮮の人権問題だ。米議会で非常に重みを持つとされる米下院トム・ラントス人権委員会が15日、「韓国の市民的・政治的権利:朝鮮半島の人権に及ぼす影響」をテーマにオンライン聴聞会を開催。その場では、韓国国会で昨年末に成立した「対北朝鮮ビラ禁止法」に対する批判が飛び交った。

同法は、軍事境界線一帯でビラを散布するなど南北合意書に違反する行為を行った場合、3年以下の懲役または3000万ウォン(約280万円)以下の罰金に処することができると定めたものだ。保守系野党は反対したが、圧倒的多数を握る与党・共に民主党が単独で強行採決した。

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北朝鮮へのビラ散布を巡っては、金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が昨年6月4日に発表した談話で、韓国政府の責任を問う立場を表明。ビラ散布に対する法規制などの措置を要求し、開城工業団地内にあった南北共同連絡事務所の爆破などで揺さぶりをかけてきた経緯がある。

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そのため同法については、「文在寅政権と与党が北朝鮮の脅しに屈し、北朝鮮国民の人権と韓国の言論の自由を犠牲にした」との批判が強い。トム・ラントス委員会の共同委員長を務めるクリス・スミス下院議員(共和党)も、「民主主義の原則と人権に反する愚行」であるとの声明を発表している。

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同委の公聴会について、韓国政府は表向き、気にしない態度を見せている。しかしその実、「対北ビラ禁止法を管轄する李仁栄(イ・イニョン)統一相は相当に焦っており、『米国の批判にどう対応したら良いのか』と、今になって北朝鮮の人権問題専門家に助言を求めている」(消息筋)という。

ウイグルやチベット、香港の人権問題で中国を激しく圧迫するバイデン政権は、北朝鮮の人権問題にも厳しい態度を示している。公聴会での反応をホワイトハウスがすくい上げるならば、対北融和を優先し、人権問題から目を背けてきた文在寅氏は、米国で極めて居心地の悪い思いをすることになるかもしれない。

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