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最近になって金正日の現地視察が急減したのに代わり、内閣総理の崔永林が単独での経済視察を行う頻度が増加し、その背景に関心が集まっている。

統一部によると、崔永林は今年2月の煕川発電所建設事業の現地指導を手始めに、3月に4回、4月に2回、5月に6回、6月に4回の計17回の経済視察を実施した。金正日ではなく、上級管理が単独で産業現場を視察するのは極めて異例で、内閣の責任者が民生経済に取り組んでいる姿をアピールする為だと分析される。

特に、日帰りでのスケジュールではあるが、訪問した地域の工場企業所、協同農場、建設現場などを集中視察しており、実際の視察現場はこれよりはるかに多い。

また、金正日は「課題」を提示する形だったとすれば、崔永林は現場の問題点を聞き解決策を模索する方式である。朝鮮中央通信は2日、崔永林の北倉火力発電連合企業所視察を報じ、現地で協議会を開き原料、資材の確保の問題、電力の生産を増やす対策を議論したと伝えた。

一方、北朝鮮メディアは崔永林の現地視察を「現地の了解」と伝えている。

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これについて統一部当局者は、デイリーNKとの通話で、「金正日が現地視察でガイドラインを提示し、崔永林は現地了解で企業所の奨励と経済への取り組みを示している」と明らかにした。つまり、金正日が指示した事項の履行状況のチェックや、実務的な問題解決である。

統一部の月間動向(5月号)も崔永林の経済視察について、「2012年強盛大国入りの最後の課題である経済大国の達成に向けた北朝鮮の強い意志を反映したもの。外部支援の減少による自力更生、経済の主体化などを奨励し、関係部門の努力を促す雰囲気を全社会的に普及させようとするだろう」と分析した。

専門家らは、北朝鮮が経済再生と関連し内閣に力を与える動きとも見られるが、最終的には経済の不振の責任を内閣に転嫁するための布石だと分析している。強盛大国入りを約束した2012年までに可視的な経済実績は難しいと判断した金正日が、その失敗の責任を内閣に転嫁するためである。

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特に、後継者金正恩の経済視察を縮小させる事で、経済失敗の責任論から金正恩を自由にする為の配慮との観測もある。

世宗研究所のチョン・ソンジャン首席研究委員は、「経済成果を達成する為には、内閣の役割を強調するしかない。しかし、平壌10万戸建設などの失敗が見込まれる状況で、このような不振の責任を大臣になすりつけようとする金正日の意図があると思われる」と観測した。

キム・ヨンス国防大教授も「可視的な経済的成果を出しにくい状況で、金正恩の現地指導の動線が露出すれば、偶像化に否定的な影響を与える可能性がある。経済不振の責任論で金正恩に矛先が向かない様にする為の、金正日の狡猾な統治術」と分析した。

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一部では、金正日の健康が良くない為の一種の業務分担であると言われている。高位脱北者は「大臣に責任を転換する為というよりは、金正日の健康状態が良くないので崔永林が代役となった」と話した。