「金正恩は悪党だ」米大統領選テレビ討論が暗示する北朝鮮の未来

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米民主党の大統領候補、ジョー・バイデン氏は22日(現地時間)に行われたドナルド・トランプ大統領とのテレビ討論で、北朝鮮の金正恩党委員長のことを「悪党」と呼び、金正恩氏との良好な関係を売り物のひとつにしてきたトランプ氏を批判した。

トランプ氏は討論会でも、金正恩氏との良好な関係を強調。「オバマ政権は、多くの北朝鮮に関する課題を残していったが、私の任期中に戦争はなかった」とアピールした。これに対してバイデン氏は、トランプ氏が仲良くしている金正恩氏は「thug(悪党、凶悪犯、ちんぴら)」であるとし、北朝鮮が核兵器の能力を縮小することに同意する条件でのみ、金正恩氏と会うと話した。

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仮にバイデン氏が大統領選で当選しても、ここで言ったことをそのまま実行するとは限らない。しかし彼のこの発言を、北朝鮮は相当な緊張を持って受け止めたと筆者は考える。

北朝鮮メディアは米国のオバマ前大統領と韓国の朴槿恵前大統領を、きわめて汚い言葉で罵った。その表現の悪質さは、ここで例示することすらはばかられるほどだ。しかしトランプ氏と文在寅大統領に対しては、たとえ関係の悪い時であっても、そこまで酷く罵倒してはいない。

その最大の理由は、人権問題だと筆者は考える。オバマ政権と朴槿恵政権の時代、国際社会では北朝鮮国内や脱北者の人権問題に注目が集まった。国連では、責任追及の矛先が金正恩氏個人に向かった。これは北朝鮮からすれば、体制を否定されたも同然なのだ。

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しかし、少しでも人権を重視する大統領であれば、支持者たちとの関係からも、金正恩体制の人権蹂躙からまったく目を背けるのは難しいだろう。

では、バイデン氏はどう出るか。いきなり金正恩体制を否定するのではなく、米国への核ミサイルの脅威を少しでも低減させる「現実的」な路線を選択する可能性もある。ただ、誰かが「金正恩は女性芸能人をこうして殺した」などと詳細な話を大統領の耳に入れたら、「北朝鮮の人権侵害は許せない」ぐらいの言葉は出てくるだろう。

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そのような発言が積み重なれば、北朝鮮は態度を硬化させるはずだ。来年以降、2017年までに見られた米朝間の激しい対立が、再現される可能性は低くないと言える。