中国を訪問中の金文洙・京畿道知事は、北京に滞在中の金正日に向け、3代世襲と人権蹂躙を強く批判した。

同知事は清華大学人文社会科学院の招請で開かれた「中韓の友好と協力で北東アジアの平和と繁栄の新時代を開こう」という講演で、「現在、北朝鮮は子供も含め数百万人が飢えており、数叙恊lを政治犯収容所に閉じ込めたまま、前例のない3代世襲王朝を作っている」と批判した。

「全世界が互いに扉を開き、協力しているのに、北朝鮮だけは扉を閉じ、住民を飢えさし、拷問している。3代世襲に没頭し軍事挑発を続けている限り、北朝鮮が国際社会の支持を得ることは不可能だ」と指摘した。

また、「軍事的冒険主義を中断し、政治犯収容所の閉鎖と住民の生存権を保障し、速やかに韓国を含む国際社会との対話に乗り出すこと」と要求した。

「今、金正日委員長が七回目の訪中を行っており、中国の改革開放現場を見学していると聞いている。中国の成功モデルを見習い、北朝鮮も住民生活を改善し良い国を作って欲しい」と注文した。

金正日への批判に続いて、中国にも憂慮のメッセージを送った。

同知事は「北朝鮮の天安艦事件で大韓民国の若い兵士46人が犠牲になり、朝鮮戦争後初めての領土への砲撃が加えられ、大韓民国の領土の延坪島で4人の命が奪われた。大多数の韓国国民は、天安艦・延坪島事件で見せた中国政府の態度が、朝鮮半島の平和維持に役立つかどうか心配している」と指摘した。

「天安艦事件は国際的な調査団の科学的な調査を通じ、北朝鮮によるテロであることが明らかになってにもかかわらず、一方的に北朝鮮の肩を持つ中国の姿を見た多くの韓国国民は、憂慮している。中国が世界の中心国として、朝鮮半島の平和に貢献するリーダーシップを示すことが必要だ」と強調した。

これと共に「今、韓国だけでなく、中国や国際社会がより積極的に北朝鮮の人権改善に力を入れなければならない」と力説した。現在議論されているFTA締結問題に、両国がより積極的な姿勢で臨まなければならないと強調した。

この講演は清華大学人文社会科学院の招請で行われ、 劉世生 ・人文社会科学院副院長、教授、大学生など200人ほどが出席した。

今年で開校100周年を迎える清華大学は、胡錦濤・国家主席、習近平・国家副主席などを輩出し、中国の名門大学である。