金正恩の「拷問部隊」にイギリスが鉄槌

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イギリス政府は6日、北朝鮮やロシア、ミャンマー、サウジアラビアの計47人と2つの機関を制裁対象に指定した。世界各地での深刻な人権侵害に対処するため、新たに設けられた独自の制度によるもので、ラーブ外相は下院で、この制度に基づき「最悪の人権侵害」に関与した機関と個人に制裁を加えられるようになったと強調した。

この新たな取り組みに北朝鮮が含められたことを、大いに歓迎したい。

今回、制裁指定された2つの機関はいずれも北朝鮮のもので、秘密警察である国家保衛省第7局と、警察庁に当たる人民保安省(現社会安全省)教化局である。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によれば、ラーブ外相はこれらについて次のように語った。

「過去50年以上にわたり、数十万人の収監者が残酷に死んでいったと推定される北朝鮮の悲惨な政治犯収容所で、日々起きている奴隷化、拷問、殺人に責任がある」

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

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イギリスはこれまで、国連やEUの一員として他の加盟国などと協調して制裁を科すのが一般的だったが、EU離脱を機に、人権や国際規範の擁護者としての立場を国内外にアピールする狙いが、この制度には込められているとされる。

そのような取り組みで北朝鮮の政治犯収容所がターゲットにされるのは、北朝鮮に変化を促す上で非常に重要なことであると筆者は考える。

国際社会の関心は北朝鮮の人権問題よりも核兵器開発に向いているが、金正恩氏にとってより悩ましいのは、非核化を求める経済制裁よりも、人権侵害に対する追及だろう。制裁は、金正恩氏が核を放棄すれば終わる。しかし過去に犯した膨大な人権侵害は、いま態度を改めるからと言って完全に帳消しにはならない。

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また、非核化交渉で対米関係を改善するなどすれば、核兵器がなくても体制は維持できるかもしれない。しかし、政治犯収容所に象徴される恐怖政治を放棄すれば、金氏一族による世襲独裁はいつまでも続かないだろう。

つまり、国際社会が北朝鮮で起こるよう仕向けるべき本当に重要な変化とは、核放棄よりもむしろ人権侵害が止まることであり、そうなれば民主化の道筋が見えてくるはずなのだ。そして、核武装のための孤立より国際協調下での繁栄を望む声が北朝鮮国内で大きくなれば、より確実な非核化も見えてくるのである。

(参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の残酷ショー