金正恩「復活」でも21人連続死の異常事態

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北朝鮮北部、両江道(リャンガンド)の大紅湍(テホンダン)で、原因不明の熱病が集団発生し、多数の死者が発生していると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

北朝鮮を巡っては、金正恩党委員長が4月11日以降、公開の場に姿を現さなかったことから、同氏の「死亡説」や「重体説」が国際社会で飛び交った。2日になって、工場竣工式に参加したとの動静が久しぶりに伝えられたが、その間にも同国内では異常事態が続いていたことになる。

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情報筋は、全体の患者数には触れていないものの、38〜40度の高熱を訴える患者が続出し、先月27日には21人が死亡したと伝えた。それ以降の患者発生数はわからないが、「今でも対処が困難な原因不明の患者が発生し続けているという知らせが届いている」とのことだ。

当局は「単純な熱病に過ぎない」と主張しているが、通常の解熱剤では効果がなく、両江道の保健当局は手をこまねいて見ているだけだという。

地域住民の間では、熱病は新型コロナウイルスによるもので、中国から流入したのではないかと噂が急速に広まっている。

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「大紅湍は、幅の細い川を挟んで中国と向かい合っているところが多く、多くの密輸業者が行き来している。それで、地域住民は熱病の原因ではないかと疑っている」(情報筋)

しかし、吉林省衛生健康委員会の発表によると、4月30日の時点で感染者の数は累計で111人で、現在入院中の人は9人に過ぎない。大紅湍と接する白山市では感染者は報告されていない。

一方、同じ両江道の恵山(ヘサン)から鴨緑江沿いに金正淑(キムジョンスク)郡までの国境を守っている、第25国境警備旅団第1連隊では今年3月下旬、数多くの兵士が頭痛、咳、喀血の症状を見せ、病院に搬送されている。当局は認めていないものの、新型コロナウイルスの感染拡大によるものと思われる。過酷な状況下にある兵士たちは、感染してしまえばひとたまりもない。

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今回、熱病患者が大量発生している大紅湍は、道庁所在地の恵山を挟んで正反対の位置にあり、250キロほど離れていることを考えると、国境警備隊での集団発生が関係しているかは不明だ。

現在、大紅湍はロックダウン(都市封鎖)され、人も物資も入ってこれない状態となっている。

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新型コロナウイルスの国内流入を防ぐために、当局は1月末から国境を封鎖、貿易を完全に停止する措置を取り、違反者に厳罰で臨んでいるものの、中朝国境は1400キロ。すべてを厳しい監視のもとに置くのは困難で、各地で密輸が行われているようだ。

(参考記事:北朝鮮に「スティックコーヒー」を密輸し逮捕された国境警備隊員