平壌で「買い占め」発生…金正恩氏の不在中に混乱広がる

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韓国のデイリーNKが20日、北朝鮮の金正恩党委員長が手術を受けたがその後の経過は良好だと伝え、翌日に米CNNが重体説を報じて以降、各国メディアには金正恩氏の健康状態を巡って様々な情報が飛び交っている。

中国からは死亡説まで聞こえ、ロイターは北京発で、「中国は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長についての助言を行うため、医療専門家や高官を北朝鮮に送った」と報じた。ロイターによれば、医療専門家らが出発したのは23日で、重体説などが出た後だ。それにこの時期の派遣なら新型コロナウイルス対策である可能性が小さくないが、それよりも、金正恩氏の健康問題と結びつける向きが多いようだ。

公開処刑の懸念

一方で韓国政府は、金正恩氏は健在で東海岸の元山(ウォンサン)に滞在中だと自信満々に説明している。いずれにしても、15日の祖父の誕生日に姿を現さなかったことを考えると、金正恩氏はどうやら平壌を留守にしているようだ。

そんな中、平壌では買い占め騒動が発生し、一部で混乱が起きているという。新型コロナウイルス対策である種の品目の輸入が規制されたためだが、最近は治安が悪化しているとの情報もあり、今後が心配ではある。何が心配かと言えば、北朝鮮当局が極端な締め付けに出ないかどうかだ。こうした事態が起きるたび、北朝鮮当局は公開処刑などの恐怖政治を強化してきた。

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平壌の情報筋は24日、韓国のデイリーNKに対し、「党中央と内閣の共同決定書が通知されて以降、物価が上がり続けており、買い占めに走る人が出ている」と伝えた。情報筋によれば、党中央委員会と内閣は17日、国家経済に優先的に必要でない物品の輸入を縮小することを盛り込んだ共同決定書を全国に通知したという。

するとその翌日から、平壌では買い占め現象が現れ始め、各種店舗で販売されている輸入食品や調味料、電子製品の価格が大幅に上がっているという。

情報筋によると、平壌では最近、これ以前にも2回にわたり買い占めが発生した。最初は、新型コロナウイルス対策で国境が封鎖された直後。

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そして2月下旬頃、各地域のも党委員会を通じて「一ヶ月分の食糧を自主的に備蓄せよ」との指示が下されたときだ。このとき、平壌には備蓄指示は出なかったが、地方から情報を伝え聞いた市民らが、配給が止まることを懸念して買い占めに走ったのだ。

おそらく、北朝鮮国内の人々には海外で流れている金正恩氏の「重体説」や「死亡説」はまだ届いていないだろう。こうした情報が国民の耳に入れば、混乱はいっそう広がるかもしれない。