北朝鮮民主化運動の主要力量は、北朝鮮の人民の民主化運動を導いて行く指導部、金正日体制に不満を持っている人民、良心的な軍人、良心的な官僚、良心的な党幹部、良心的な宗教団体、国内外のNGO団体などであると思われる。

一方、打倒しなければならない対象は独裁者金正日、金正日政権、保衛部と政治犯収容所を含めた金正日政権の各種の独裁機香A金正日に取り入って人民を弾圧して権力を享受した人々、各種の権威主義とイデオロギー及び法制度などだ。

金正日の独裁政権下で成立している残酷な人権弾圧と、住民統制の実態を考える時、金正日に対する怒りだけではなく、政権に取り入っている多くの人々に対する怒りも高まる。しかし、国家安全保衛部、人民保安省、軍の保衛司令部、党の機関など、直接的な独裁機関に網羅された人々だけでも、数叙恊lになるが、これらの人々全てを打倒の対象に定めることは、北朝鮮の民主化の過程で何らの助けにもならないし意味もない。彼らが自発的に金正日体制に服務したのか、それとも仕方なく食べて暮らすためにそのような事をしたのか、いちいち立証する方法はない。たとえそうした方法があるとしても、幼い時から金日成と金正日に対する偶像化洗脳教育だけを受けて暮らしてきた人々を、打倒対象にしたり、後に処罰することも正しいことか考えてみなければならない。

既得権層に対しても、金正日体制の下で既得権を享受して、よい暮らしをしたという理由だけで処罰することは正しくない。もちろん、人民が飢えて死んでいく時、贅沢な生活をしていたという事実は、多くの人の怒りを買うが、彼らの贅沢というのも、実際は韓国の庶民層の生活とは比較にもならない位低い水準だ。

その外にも北朝鮮で金正日時代の様々なきずを捜そうとすれば、北朝鮮の人民の90%は逃れられないだろう。したがって、金正日政権が打倒されたら、過去の問題で処罰される人は最小限に減らすのが望ましい。金正日独裁政権で核心的な役割を担った人、各種の独裁機関で悪質な役割を果たした人、悪質な方法でわいろを集めた人、その他、重大な罪を犯した人々に限った方がよいだろう。

フセイン政権の沒落過程に、クルト族という歴史の証言者があったように、6千人余りの韓国在住の脱北者と、数万人に達する中国の脱北者が、金正日政権の終末を見守っている。北朝鮮の人民に対する寛容の精神は、多くの脱北者を反金正日陣営に賛同させ、金正日に同調している北の為政者たちに、葛藤と動搖をもたらすだろう。そして窮極的に、北朝鮮の民主化運動の勢力が金正日独裁政権と根本的に異なる人々であることを、北朝鮮の人民と全世界に確認させてくれるだろう。