「黒い布かぶせ後ろから鈍器で…」北朝鮮、非公開処刑の内部証言

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北朝鮮外務省は17日、国連で北朝鮮人権決議案が採択されたことを非難する報道官談話を発表。これまで北朝鮮を人権問題で追及してきた米国に攻撃の矛先を向け、「米国がわれわれの思想と制度に対する体質的な拒否感にとらわれてわれわれを孤立、圧殺するための敵視政策に相変わらず執着している」と怒りを露わにした。

人権問題を扱う国連総会第3委員会は14日、北朝鮮による人権侵害を非難し、速やかな改善を促す決議案を採択した。同様の決議採択は2005年以降、15年連続で、国連総会本会議では来月採択される見通しとなっている。

「看守が静かに連れ出し」

日本はこれまで欧州連合(EU)とともに「共同提出国」として決議案を主導してきたが、今年は決議案に強い賛意を示す「共同提案国」にとどまった。韓国は2008年から昨年まで共同提案国に参加したが、今年は見送った。

決議は「長きにわたり、そして現在も組織的かつ広範囲に重大な人権侵害が行われている」と北朝鮮を非難し、人権侵害を今すぐやめるよう要求。強制収容所の運営、強姦、公開処刑、適法な手続きを経ない恣意的な拘禁・処刑などにも言及した。その上で、国連安全保障理事会に対し、北朝鮮の人権状況を国際刑事裁判所(ICC)に付託し、人道に反する罪に「最も責任ある者」に対する適切な措置などを取るよう勧告した。

このところ、北朝鮮の人権問題は核問題の陰に隠れてしまっている観があり、具体的な情報は一般に届きにくくなっているが、情報の収集や分析は人権NGOなどの手で粛々と進められている。

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たとえば韓国の北朝鮮人権情報センター(NKDB)は10月23日にソウルで行われたシンポジウムで、「公開処刑は最近あまり聞かない。しかし2015年に拘留場にいた時、看守が静かに連れて行き、黒い布をかぶせて歩かせ、後ろから鈍器で殴って殺すという話を聞いた。非公開処刑が続いているという話だった」 (今年脱北したA氏)との証言を発表した。

一方、北朝鮮当局は最近になり、公開処刑の頻度を高めているとの情報もある。

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ちなみに、決議で言われている「最も責任ある者」とは事実上、独裁者である金正恩党委員長を指す。冒頭の報道官談話に見られるように、北朝鮮が怒り狂っているのもこのためだ。

そしてだからこそ、日本と韓国は決議から距離を置いたのだ。安倍晋三首相は金正恩氏との首脳会談を望んでおり、最近、金正恩氏から冷たくあしらわれている文在寅大統領も、南北対話への執着を捨てていない。

しかし、決議が指摘したような人権侵害の現状がある中で、いま金正恩氏と対話することに、日韓の首脳はリスクを感じていないのだろうか。