人体を粉々にしてその場で焼いた…金正恩式の高官処刑

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北朝鮮が、ハノイ米朝首脳会談の実務交渉を担当していた金革哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表に交渉決裂の責任を問い、処刑していた――韓国紙・朝鮮日報がこのように報じてから1日が経過したが、北朝鮮はまだ何ら反応を見せていない。

朝鮮日報は今回のニュースで、北朝鮮の事情に詳しい消息筋の次のような証言を伝えている。

「金赫哲氏は今年3月、外務省幹部4人と共に調査を受け、美林飛行場で処刑されたらしい。彼らには『米帝に取り込まれ、首領を裏切った』という米帝スパイの容疑が適用された」

これが事実ならば、やや不可解なものを感じる。北朝鮮では過去、スパイや反逆のような重罪に問われた人物を処刑する場合、国民への「見せしめ」とすべく、かなりの人数の前での公開銃殺とするのが一般的だったからだ。

(参考記事:「死刑囚は体が半分なくなった」北朝鮮、公開処刑の生々しい実態

そうすると、銃殺を見せられた人々の話が少しずつ海外へも漏れ伝わり、そのディテールを検証することで事実かどうかを判断できた。しかし今回の金革哲氏の処刑説を巡っては、そのような目撃談が伝わってきていない。

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特に金正恩党委員長の時代になってからは、高官に対する公開処刑の方法がひときわ残忍になっている分、目撃談が伝わるスピードが速いにもかかわらずだ。

たとえば金正恩氏は2013年12月、叔父である張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長を処刑した。張成沢氏の銃殺は非公開で行われたとされるが、彼より先に葬られた側近たち――李龍河(リ・リョンハ)党行政部第1部長と張秀吉(チャン・スギル)同副部長の処刑は公開で行われている。

各種の証言を総合すると、2人に対する公開処刑の様子は次のようなものだった。

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公開処刑は、平壌郊外にある姜建(カンゴン)軍官学校の練兵場で行われた。衛星写真により、これ以前にも公開処刑の様子が捕捉されていた場所だ。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

11月末の朝、党・軍・行政機関の幹部ら数百人が練兵場に集められた。10時ごろ、練兵場に張られた大きな白い幕が取り除かれると、木の杭に裸で縛り付けられた2人の姿があった。特別裁判官が「個人的な幹部に盲従盲動して反党、反革命、宗派行為を行った」との判決文を読み上げ、死刑の即時執行を宣言した。

処刑に用いられたのは、大口径・4銃身の「高射銃」である。高射銃とは対空火器の一種で、北朝鮮では14.5mm口径の重機関銃4丁をひとつにまとめた「ZPU-4」が使用されている。14.5mm口径の銃弾は威力が大きく、通常は人間に対してよりも、軽装甲の車両やコンクリート塀などの遮蔽物を貫通・破壊するのに用いられる。

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事情通によれば、「1発でも当たれば、人体の一部が吹き飛ぶ。発射速度の速い機関銃で連射されたら、人体は粉々になり原形をとどめない」という。文字通り、人体が「ミンチ」になってしまうのである。

(参考記事:玄永哲氏の銃殺で使用の「高射銃」、人体が跡形もなく吹き飛び…

さらに、バラバラになった2人の遺体は火炎放射器で焼かれ、その場で灰になったという。

従来、北朝鮮の公開銃殺にはカラシニコフAK47自動小銃が用いられてきた。それでも十分に残忍な殺し方が可能であり、ある女優の処刑を見ることを強いられた女性芸術家たちは全員、失禁せざるを得なかったという。

(参考記事:機関銃でズタズタに…金正日氏に「口封じ」で殺された美人女優の悲劇

金革哲氏が本当にスパイ罪で銃殺されたならば、このような目撃談がまるで伝わってこない状況は考えにくい。それはこれからのことなのかもしれないが、いずれにしても、朝鮮日報の報道の信ぴょう性は、決して十分とは言えないのだ。