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密造酒を飲んで命を落とす人が相次いでいる北朝鮮。当局は、講演会で密造酒の恐ろしさを訴えるなど、対策に苦慮している。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、4月1日に講演会が開かれた。メインテーマは「松岳(ソンアク)焼酎」だ。軍事境界線にほど近い開城(ケソン)の松岳山にある開城松岳食料工場で生産されているものだが、このブランドを騙った密造酒が全国的に出回り、死者が続出している。

(参考記事:北朝鮮で「密造酒を飲んで死亡」多発、当局も警戒呼びかけ

講演会では「今回問題になっている松岳焼酎は、工場で作られた正規品ではなく、何者かが作った酒に松岳焼酎のラベルを貼っただけの模造品」「分析した結果、メタノールが検出された」ということが伝えられ、平壌に住むある人が酒とメタノールを混ぜたものを売って、それを飲んだ人が亡くなった、南浦(ナムポ)では失明した人がいるなど、被害が続出していることを実例を挙げて説明した。

当局は、密造酒の出処の捜査に乗り出している。

前述の平壌市民は、化学工場での勤務経験を持ち、メタノールを容易に手に入れられる立場にあったため、儲けるために密造酒を売ったという。

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酒を売っている商人は、いくらでもブランドのラベルを購入できる。平壌の印刷工場では、カネ儲けのために酒のラベルを非正規の業者に売っているのだ。国家から「自力更生」を求められた国営の工場が、運営予算欲しさに偽ラベルの販売に手を出したということだ。それも本物とほとんど区別がつかないため、手を出してしまい被害を受ける人が続出している。

当局はこのような密造酒の販売を禁じる指示を下したが、どれほどの実効性があるかは未知数だ。

密造酒に悩まされている北朝鮮はもともと、東アジアのニセモノ製造工場として有名だった。最もよく知られているのは米ドルの偽造紙幣だが、1990年代後半から2000年代中盤にかけては、ニセタバコを製造していた。

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韓国メディアによると、釜山税関は2005年1月、北朝鮮で製造されたと思われるマルボロ174万6000カートン、マイルドセブン77万6000カートン、スリーファイブ44万1500カートンなど、時価で約59億ウォン(当時のレートで約6億円)相当の偽タバコを押収している。また、北朝鮮と国境を接する中国の東北地方から、北京を含む華北地方でも大量の北朝鮮製がニセタバコが出回っていた。