北朝鮮の少年少女を苦しめる「気持ち悪い」冬休みの課題

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北朝鮮の人々は、年がら年中、当局から組織生活や思想の総括、さらに奉仕活動に半強制的に動員されている。それは、子供たちとて例外ではない。

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮の小学校から高校までの学生たちが「毛虫取り」をさせられているという。朝鮮労働党が、毛虫による森林被害を防止せよとの指示を出したからだ。冬休みの間も、10代の学生たちは酷寒のなかで毛虫取りに強制的に動員されているというのだ。

RFAの平安南道(ピョンアンナムド)の消息筋によると、「学生たちは寒さにもかかわらず一日中毛虫を捕まえようと、山の中で苦しい思いをしている。一人当り、ビニール袋一杯の毛虫を捕まえなければならないノルマがあるので、学生たちは弁当まで持って山中を歩き回っている」という。

弁当を持っていけない貧しい家庭の学生は、毛虫を捕まえたその場で倒れることもあるという。それでも学校と当局は、同情するどころか、ノルマを達成できなければ生活総和の時間に自己批判を強要するというのだ。

冬の間の毛虫取りが終われば、北朝鮮の青少年は春に30日、夏に30日、秋に45日間、農村支援に動員される。この期間、学生たちは学校にも行かずに家族から離れて、協同農場で農作業をしなければならない。中学校3学年から大学を卒業するまでずっとだ。

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このように年齢、性別限らず、北朝鮮の人々は様々な国家事業に動員されている。劣悪な労働環境のせいで、悲惨な事故も多発しているが、中高生であっても何ら補償は行われない。

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ちなみに、学生たちが毛虫取りに動員されるのは、大人たちが「堆肥戦闘」に忙しいからだという。人糞を集めて肥やしを生産する「堆肥戦闘」は、毎年1月から2月にかけて行われる。日本に在住する脱北者のSさんは、次のように語る。

「北朝鮮で厳しい生活を体験したので、日本ではどんなことでもやってのける自信はある。しかし、堆肥戦闘だけは死んでもやりたくない」

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極限状態で生き延びた脱北者さえも嫌がるのが、人糞集めなのだ。1人あたり驚くほどの量をノルマとして課せられ、人々は正月早々、人糞を求めてさまよい歩く。人糞には値段が付き、商品として市場で取引される。人糞を巡ってブローカーが暗躍、さらにはワイロまでが飛び交う世にも奇妙な光景が現出するのだ。

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大人たちは人糞集め、子どもたちは毛虫取りに強制動員。北朝鮮当局は、国民達に嫌がらせをすることばかり考えているのかと思わせる。