「韓国が下心さらけ出した」北朝鮮が猛批判する理由

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北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は6日、韓国政府が軍事費を大幅に増額していることについて「同族と力で対決しようとする下心をさらけ出した」と非難する論評を掲載した。蜜月にも見える南北関係だが、互いの友好姿勢はあくまで「条件付き」であり、ここで改めて北朝鮮のホンネが出た形と言える。

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韓国軍の悩み

韓国国防省が11日に発表した「2019―2023国防中期計画」によれば、向こう5年間の軍事は総額270兆7000億ウォン(約26兆2000億円)で、同期間の年平均の増加率は前年比7.5%と、直近10年間の年平均増加率(4.9%)を大きく上回る。

これは、米国との非核化対話の途上にある北朝鮮には、とうてい看過できない動きだ。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は、軍内での飢餓や虐待の横行など軍紀のびん乱により、現代の戦争に耐えられる状態ではない。

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核兵器など一部の「虎の子」だけが頼みの状況なのだ。それを今まさに「捨てる」ための交渉をしているわけだが、そこへ持ってきて、ただでさえ通常兵器で圧倒的に優勢な韓国軍が強化されたら、彼我の戦力差はさらに広がってしまう。

しかし韓国軍とて、北朝鮮だけを念頭に軍事力を整備していくわけにはいかない。最近も、「レーダー照射」問題で日本と険悪な関係になってしまった。

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筆者は、日韓関係がいかに悪化しても、軍事衝突などという愚かな事態に発展することはないと確信している。しかし日本以外の周辺大国は、国益のためなら積極的な武力行使をためらわない国々だ。

かつて日本の侵略により主権を完全に失った経験のある朝鮮半島の国家としては、「二度とあのような目に遭ってたまるか」と身構えるのも、故なきことではない。

それでも北朝鮮と韓国にとって、軍事的には互いの存在が、当面して最大の警戒対象であることもまた事実だ。この重い事実は、まだまだ表面的な域を出ない対話では、簡単に崩せるものではないのである。

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