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北朝鮮の地方都市で、70代の老人が自宅で殺害されているのが見つかった。保安署(警察署)は、強盗殺人容疑で30代男性を逮捕した。咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

事件が起きたのは新年を迎えて数日後のことだ。咸鏡南道の端川(タンチョン)市広泉洞(クァンチョンドン)に住む70代の老人が姿を見せず、家の中から物音が聞こえないことを不審に思った近隣住民が家を訪ねたところ、老人が殺害されているのを発見し、保安署に通報した。

この老人は一人暮らしで、商売で稼いだカネで不自由のない生活をしていた。当局から要求される大型建設の現場や軍の支援事業、「忠誠の資金」の献納にも自発的に応じるほどだった。

(参考記事:狙いは「シャネル大好き富裕層」格差拡大の北朝鮮で4歳女児誘拐事件

捜査に乗り出した保安署は住民の情報提供を元に、老人の家を数回訪ね、周囲の様子をうかがっていたという、同じ町内に住む30代の李某の取り調べを行った。その結果、犯行を自供したため、逮捕した。現在、保安署で予審(起訴前の取り調べ)を受けている。李容疑者に対しては重い判決が下されると思われる。

李容疑者は、老人の豊かな暮らしぶりを見て犯行を計画した。そして、家に押し入り凶器を振りかざして金品を要求したが、老人が激しく抵抗したため殺害した。

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保安員が事件現場を整理し、貴重品を収集する過程で、額は明らかになっていないが、老後を何不自由なく暮らせるほどの米ドルの札束を発見したという。

今回の事件の被害者のように、商売で儲けて一人で暮らす老人が増え、彼らを狙った犯罪が増加の一途をたどっていると情報筋は伝えた。つまり、市場経済化による格差拡大が背景にあるということだ。