男は「美人は皆やった」とうそぶいた…北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言

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国連総会は17日(米東部時間)の本会議で、北朝鮮における人権侵害を強く非難し、改善を求める決議案をコンセンサス方式(議場の総意)により投票なしで採択した。決議案は、日本と欧州連合(EU)が共同で提出したもので、14年連続で採択された。

決議案は、政治犯収容所の閉鎖と全ての政治犯の釈放を要求。北朝鮮の人権に関する国連調査委員会が指摘した拷問や非人道的な待遇、強姦(ごうかん)、公開処刑、非司法的で恣意的な拘禁・処刑など各種の人権侵害行為を取り上げ、深刻な憂慮を表明した。

これに対し、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は同日、「決議案で言及された人権侵害の事例は全く存在しない。(一部の脱北者による)でっちあげだ」と強弁した。しかしもはや、北朝鮮側のこうした反論に耳を貸す国は少ない。被害者による証言の類が、あまりに厚く蓄積されているからだ。

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韓国の北韓人権情報センター(NKDB)の「2018 北朝鮮人権白書」には、北朝鮮の拘禁施設において迫害を受けた人々の証言が数多く収録されている。たとえば両江道(リャンガンド)出身のある脱北者の女性は、北朝鮮の拘禁施設で受けた性的被害について、次のように語っている。

「保衛員で、集結所の党書記だという人が、私に出てこいと言うのです。(中略)食堂に連れて行かれ、塩を要れた器に水を汲めと言うのです。わけもわからずにいると『何をしているんだ?』と言って、ズボンを脱げと命じるのです。それで洗えと言うことだったのです。(中略)私が嫌だと言うと、力ずくでに襲いかかってきました。(中略)でも、襲われたのは私ひとりではありませんでした。美人は皆やったと言っていました」

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このような生々しい証言が、ほかにも数多くあるのだ。事実と食い違う内容とあるかもしれないが、大量に集積された情報は、自ずと真実の輪郭を描くものだ。

とくに軍や拘禁施設など、閉鎖された空間におけるこうした被害証言は、枚挙に暇がない。軍では例えば、「マダラス」や「書類整理」と呼ばれる性上納の強要が横行している。

北朝鮮では、女性がこのような被害を訴えた場合、かえって本人が不利益を被るケースも少なくない。だから脱北者の女性も、以前はこうした告発に消極的だった。しかし韓国に定着し、人権の何たるかを知るようになることで、勇気ある証言に踏み切る例が増えているのだ。

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北朝鮮もいい加減に「でっち上げだ」と強弁するだけの反論はあきらめた方が良い。それより、少しずつでも国内の状況を改善し、それを率直に国際社会へ知らせた方が、よほど自国の利益になろうというものだ。