金正恩氏が「継母」に加えていたひどい仕打ち

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韓国紙・中央日報(WEB日本語版)は22日、北朝鮮の内部事情に精通した韓国政府当局者の話として、故金正日総書記の第4夫人説がささやかれていた金オク氏について管理所(政治犯収容所)に収監されていることが確認されたと伝えた。

「写真」は語る

この当局者は、「さまざまな情報を総合した結果、金オク氏が張成沢(チャン・ソンテク)事件に関わって2014年に政治犯収容所に送られたと結論付けた」としている。また、彼女の生死については「現在、生きていることを把握している」と述べているが、管理所は「地獄の一丁目」とも言われる残酷かつ劣悪な施設だ。金オク氏が生きているとしても、相当に酷い目に遭っていると思われる。

改めて説明するまでもないことだが、金正日氏は金正恩党委員長の父である。金正恩氏の実母である高ヨンヒ氏は2004年に死去しており、つまり金オク氏は彼にとって「継母」のようなものだ。金正恩氏は、父のハデな女性遍歴に嫌悪感を抱いていたとも言われる。

金正恩氏にも「パーティー狂い」の噂が出たこともあったが、李雪主(リ・ソルチュ)夫人のほかに愛人がいるという情報は出ていない。

金オク氏は、2012年7月までは、金正恩氏の現地指導に同行していた。前年12月に金正日氏が死去してすぐ、権力から遠ざけられたわけではないのだ。

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デイリーNKジャパンは、金正日氏の秘書役を務めていたとされる金正恩氏の異母姉・金雪松(キム・ソルソン)氏の写真を入手している。金正日氏の死後間もなく、朝鮮労働党の最高幹部らとともに、遺体が安置された錦繍山(クムスサン)記念宮殿(現錦繍山記念宮殿)を訪れた時のものだ。

この写真で金雪松氏の隣にいる女性が、金オク氏である。

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写真の雰囲気からすると、金雪松氏と金オク氏は親密に見える。これだけで何かを判断するのは無理があるかもしれないが、金オク氏は金正日氏の子供たちと、けっこう上手くやっていたように思えるのだ。

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では、中央日報の報道が正しいとして、金正恩氏はなぜ、継母を「この世の地獄」に送る必要があったのか。それはやはり、叔父である張成沢氏の粛清事件の余波が、それだけ大きかったということだろう。

張成沢事件が起きてから、この12月で丸5年になる。今月は本欄でも、同事件について改めて振り返ってみたい。