日米の「韓国パッシング」は予想どおりの展開

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韓国紙・朝鮮日報(日本語版)の19日付の報道によれば、米国政府は最近、韓国政府に対して対北朝鮮経済協力事業リストと具体的なタイムテーブルの提示を要求。また、該当の事業者が国連の対北朝鮮制裁に抵触しないことを韓国政府が保証し、1件でも違反があればすべての事業を中止するよう求めていたという。

北朝鮮との対話の進め方を巡っては、このところ米韓の間で不協和音が目立っている。それもそうだろう。トランプ米大統領は「金正恩委員長に恋をした」とまで語っているが、米国のほかの政治家たちは違う。現に上院外交委員会では、北朝鮮の政治犯収容所撤廃を求める決議案が新たに通過しているのだ。

(参考記事:北朝鮮女性、性的被害の生々しい証言「ひと月に5~6回も襲われた」

「旭日旗問題」に北が介入

また少し前には、朝鮮半島情勢を巡る対話に「日本が乗り遅れている」との指摘があったが、今では韓国側が日米による「韓国パッシング」を心配する状況になっている。

中央日報(日本語版)によれば、18日に行われた駐日大使館関連の国政監査では、日本との情報共有の限界を懸念する声が相次いだ。10月6日にマイク・ポンペオ米国務長官が4回目の訪朝に先立ち河野太郎外相と行った事前協議について、駐日大使館はまったく内容を把握できていなかったというのだ。

もっとも、これは事前に予想できた流れでもある。北朝鮮は南北対話の前提として「わが民族同士」という考え方を基本とするよう韓国に求めてきた。

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たとえば、南北の政府間対話が本格的に始まる直前の1月8日、朝鮮中央通信は「北南関係は、あくまでもわが民族の内部問題として、北と南が主人となって解決すべき」とする論評を発表。「朝鮮半島と地域の支配者として君臨しようとする外部勢力の干渉と専横」を絶対に容認してはならないと強調した。

北朝鮮側は、韓国側と対話を持つたびにこうした主張を展開している。そのうえで南北対話が続いているということは、韓国の文在寅政権がある程度、この主張に呼応していることを意味する。

北朝鮮はまた、自衛官の旭日旗掲揚問題など、歴史問題を巡る日韓の摩擦にも折に触れて口をはさみ、「わが民族同士」の既成事実化に努めている。文在寅政権のナショナリズム志向が内発的なものであるとしても、北朝鮮が一定程度の影響を与えていることは否めないだろう。

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北朝鮮は、このような心理戦が実に上手い。日米韓の間に亀裂を入れることは、北朝鮮が長年にわたり狙ってきたことだ。そしてその目的は、それぞれと1対1で向き合い「各個撃破」することにある。つまり仮に韓国がこのまま「離脱」していけば、日本にとっても不利益が生じかねないのである。