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北朝鮮では南北関係が改善しつつある今でも、韓国製品の販売、所有は依然として規制の対象だ。しかしそれも、徐々に緩和されつつあるようだ。

北朝鮮当局は韓国製品を「密売」する業者に対し、売台や商品の没収、罰金刑を課すなど、強い姿勢で臨んできた。

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ただ、韓国製品同様に規制の対象だった米国製品について、販売を事実上認める措置を取っている。

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平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、市場では現在、歯磨き粉、古着、薬などの韓国製品が売られている。薬を例に挙げると、ペニシリンの代用として使われるアモキシシリン、ビタミン剤、風邪薬などがあるが、特に風邪薬がよく効くと人気だ。

緩和措置について地域住民は「北南関係がよくなったからだろう」と見ているが、今年4月の南北首脳会談の後に、非社会主義現象(韓流ドラマ視聴など社会主義にそぐわない行為)に対する取り締まりを強化したことを考えると、南北首脳会談以外に理由がある可能性がある。

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今年1月ごろから始まった非社会主義現象への取り締まりについて、その範囲が恣意的で広すぎることから、国民から強い反発の声が上がっていた。それを受けて金正恩党委員長が今年7月、「人民を敵に回すな。大衆を党から引き離す行為は絶対に許さない。違反した幹部は出党(労働党からの除名)、撤職(更迭)も覚悟せよ」との指示を下した。情報筋はこれを、韓国製品取り締まり緩和の理由と見ている。

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だからといって、商人が韓国製品を堂々と陳列して販売できるようになったわけではない。全くお咎め無しという状況には至っておらず、密売したり中国製に見せかけて売ったりしている。また、取り締まりの時間帯が決まっているので、それを事前に把握して商品を隠す要領も求められる。

「韓国製品を売っていることが取り締まり班の耳に入れば、すぐに取り締まりにやってくる。空気を読みながらうまくやらなければならない」(情報筋)

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運悪く取り締まりにひっかかったとしても、商人たちは必ずしも「当局のなすがまま」というわけではない。情報筋は、商人が取り締まりに強く反発することが多いとして、先月初めに取締官と商人が市場で喧嘩する様子について次のように語った。

「取締官の『上から取り締まれと言われたから来た』という言葉に、『自分たちの命がかかっているのに、そんなに頻繁に取り締まりされては困る』『配給をもらっている人以外は全員が非社会主義をしている』『取締官も非社会主義をしているじゃないか』と強く反発した」

商人の反発に困り果てた取締官は上部に「生活が成り立つように取り締まりの回数を減らすべき」「こんなに頻繁に取り締まれば餓死する人が出る」などと報告しているとのことだ。

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商人たちは、自らの商行為に対して「生きていくために必要なこと」として強い権利意識を持ち、それを侵害しようとする当局に対して反発する。このような権利意識は、商人だけではなく、北朝鮮国民全般に広がりつつある。

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