「アメリカ軍には勝てるわけない」…やはり米国を恐れていた金正恩氏

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韓国の文在寅大統領は25日、国連総会出席のため訪れたニューヨークで、米シンクタンクなどが招いた会合で演説し、金正恩党委員長が非核化について「今度こそ北朝鮮が本気だと信じてほしい」と訴えていたと明らかにした。

さらに文在寅氏によれば、金正恩氏は非核化を進めなかった場合に米国から受ける報復を強く警戒していたという。

それはそうだろう。米国と軍事的に対峙し、まったく恐れを抱かない国家指導者などいるだろうか。いるとしたら、その感覚こそ危ない。

しかし、金正恩氏が米国に対して抱いている警戒心、あるいは恐怖が、どの程度のものであるかは今もよくわからない。同氏は弾道ミサイルの試射に現場で立ち会うなど、かなりの危険を冒して核兵器開発の陣頭指揮を取っていた。

米軍は、北朝鮮がミサイル試射を繰り返していた当時、金正恩氏の専用車の動きを偵察衛星で監視していたとされる。金正恩氏が現場に出たところを、ステルス戦闘機などで急襲されたらひとたまりもない。

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また、金正恩氏は普通の人と同じトイレを使えないなど、ただでさえ行動に苦労を伴うが、米国の軍事専門家から、北朝鮮をけん制するため「金正恩氏のトイレをピンポイント爆撃で破壊せよ」との提案も出ていたほどだ。

(参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳

一方、北朝鮮国民の間では昨年、「戦争が始まるかもしれない」「そうなったらアメリカ軍には勝てない」との危機感が広がっていた。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は昨年9月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋の次のような話を伝えていた。

「平壌などでは水爆実験の成功を祝う行事が目白押しだが、一部の幹部らの間では、米国との間で戦争が起きるかもしれないとの見方が広まっている。主に中堅幹部が不安を募らせているようだ。中央は『仮に米国が攻撃してきても、米国を撃破し勝利するであろう』と宣伝しているが、地方の幹部らはこれをまったく信じていない」

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こうした雰囲気もあるいは、金正恩氏を中心とする最高指導部の緊張感が下に伝わり、発生したものかもしれない。

しかし実際のところ、金正恩氏はすでに相当程度、情勢に対する緊張をゆるめているのではないだろうか。米国とのコミュニケーションは概ねうまくいっているし、文在寅氏はすっかり金正恩氏の「援軍」になった。「米国からの報復を警戒している」ことを自ら表現できるのも、余裕の表れかもしれない。