金正恩氏がトランプ氏だけに明かす「愛用ベンツ」の極秘事項

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トランプ米大統領は15日、ホワイトハウスで米メディアなどに対し、北朝鮮の金正恩党委員長と17日に電話会談する意向を明らかにした。トランプ氏はシンガポールでの米朝首脳会談を行った際、金正恩氏に直通の電話番号を渡したとし、「問題があれば、彼は私に電話ができる。私も電話できる」とも語った。

トランプ氏はまた、「北朝鮮とは今、非常にいい関係にある。私が就任した時は戦争状態のようだった」とし、核問題を「私が解決した」と自賛した。

北朝鮮が非核化に向け具体的な行動を取るならば、両首脳が会談時に約束した、平壌とホワイトハウスの相互訪問が本当に実現しそうな雲行きだ。故金日成主席と故金正日総書記も、若き三代目の「大活躍」にあの世でさぞや驚いていることだろう。

こうしたトランプ氏の「ノリ」を見ていて思い出すのが、首脳会談での一場面だ。トランプ氏は共同声明に署名後、金正恩氏とともに庭を散策中に大統領専用車「ビースト」に近づき、スタッフにドアを開けさせて専用車の中身をのぞかせる出血サービスぶりを見せた。

ぶ厚い複合装甲に包まれ、爆弾や化学兵器対策も万全とされるビーストは、それ自体が国家機密でもある。その車内を見せるということは、相当な信頼のアピールと言えるだろう。

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では、トランプ氏が平壌を訪れたら、金正恩氏は何を見せて「信頼の証」とするのか。「飛ばし屋」として知られる金正恩氏だけに、やはり自分の愛車は見せるのではないか。

金正恩氏のベンツにも、ビーストほどではないにせよ「機密事項」がある。普通の人と同じトイレを使えない金正恩氏は、愛車のベンツに特殊な装備を搭載しているとされるからだ。そんなものを他人に見せるのは恥ずかしいものだが、だからこそ「信頼の証」にもなる。

(参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳 )

あるいは、「喜び組」パーティーでもてなす手もあるかもしれない。かつて、欧米諸国との関係改善を切望していた金正日氏は、イタリア外務省代表団の訪朝に興奮し、「喜び組」のダンサーたちを動員した宴席で一行を接待させたという。

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ところが、そのあまりの露骨さにイタリア要人の不興を買い、赤っ恥をかいただけで終わったというエピソードもある。

もっとも、トランプ氏は首脳会談で北朝鮮の人権問題を真剣に提起しなかったと非難されている。そんな中で「喜び組」パーティーなどに出席したら、それだけでこの間の合意は吹っ飛びかねない。

金正恩氏もそんなリスクを冒すよりは、東海岸に造成中の大規模リゾートにトランプ氏を誘い、カジノを含む観光事業への助力を改めて要請するかもしれない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記