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デイリーNKジャパンでも報じた、中国で脱北者30人が逮捕された件で大きな動きが出ている。

先月24、25の両日、中国の瀋陽と昆明で合わせて30人の脱北者が公安当局に逮捕されたが、全員が今月5日に釈放されたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。中国当局が、摘発した脱北者を強制送還せず釈放するのは異例のことだ。

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韓国在住の脱北者、イ・テウォンさんはRFAの取材に、中国政府は国際社会の批判を懸念して、脱北者30人を釈放したが、中朝関係への影響を懸念して釈放は密かに行われたと述べた。同時に、釈放は韓国政府の働きかけによるものではないとも述べている。

イさんの妻と4歳の息子も中国で逮捕され、妻は北朝鮮に強制送還後に保衛部(秘密警察)に勾留されていたが、先月釈放されている。

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脱北者の30人逮捕は、金正恩党委員長が先月25日から28日にかけて訪中した前後に行われた。中国当局は大きな政治的なイベントの前には国内の警備を強化するが、30人はその一環で逮捕されたものと思われる。

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釈放には国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチのキャンペーンが大きな役割を果たした可能性がある。30人はとりあえず北朝鮮への強制送還を免れたが、韓国行きが認められたわけではないもようだ。当面は中国で暮らして、次の機会をうかがうものと思われる。

米国の人権団体「北朝鮮人権委員会」(HRNK)のグレッグ・スカラチュー事務総長はRFAに対し、「これが事実と確認されれば、ポジティブなニュースだが、中国が今後脱北者を保護するか否かは引き続き見守らなければならない」と述べた。

通常、中国で逮捕された脱北者は数週間以内に北朝鮮に強制送還される。送還後は保衛部による拷問、性暴力を含めた厳しい取り調べを受ける。単純な出稼ぎ目的の脱北であれば、労働鍛錬隊(軽犯罪者向けの刑務所)に数ヶ月程度収監された後に釈放されるが、韓国行きを目指していたり、キリスト教関係者と接触していたりしたことが発覚すれば、政治犯収容所に収監されることもある。最悪の場合は、処刑されることすらありうる。

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このような状況に対して米国務省の報道官室の関係者は、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に「北朝鮮の亡命希望者たちが直面した苦境を深く憂慮している」と述べている。

(参考記事:#MeToo とは言えなくて…北朝鮮女性が語る残酷な現実