たしかに、金正恩氏が韓流アイドルであるレッド・ベルベッドを見に行くかどうかは、関心の的となっていた。ただし、その理由はミーハー的な関心からばかりではない。
北朝鮮は刑法で、「退廃的な文化の搬入・流布罪」(183条)および「退廃的な行為を行った罪」(184条)なるものが定められている。いずれも「退廃的で色情的かつ醜悪な内容を反映した絵、写真、図書、歌、映画など」を取り締まりの対象としたもので、これらを外国から持ち込んだり、制作したり、あるいは観たり聞いたりした場合、最高で10年以下の労働鍛練刑(懲役)に処すとする内容だ。
そして、この法律がターゲットとしているものの筆頭が、ほかならぬ韓流コンテンツなのだ。実際、この法律に違反したと見なされたことで、悲惨な運命を辿ることになった北朝鮮国民は100人や200人ではない。
(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…)