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北朝鮮と国境を接する中国の丹東では、駅に巨大な間仕切り壁が設置されるなど、尋常ならざる動きが感知されている。現地では「金正恩党委員長が来たのではないか?」との噂が広がっている。

巨大な間仕切り壁が設置された丹東駅(画像:デイリーNK情報筋)
巨大な間仕切り壁が設置された丹東駅(画像:デイリーNK情報筋)

中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、1週間ほど前から駅舎に間仕切り壁が設置され、北朝鮮から鴨緑江を渡ってやって来る列車の様子が見えなくなった。その頃から、「あの方(金正恩氏)が中国に寄ってロシアに行くのではないか」という「金正恩氏訪中」の噂が広がり始めた。

また、25日の午前と午後、現地の公安局は駅周辺にある蛇腹状のバリケードを開閉する訓練を行い、午後10時からは駅や、北朝鮮と中国を結ぶ鴨緑江大橋(道路鉄道併用橋)を閉鎖した。

25日夜に蛇腹状のバリケードの開閉訓練を行う様子(画像:デイリーNK情報筋)
25日夜に蛇腹状のバリケードの開閉訓練を行う様子(画像:デイリーNK情報筋)

「夜10時から丹東駅が完全に閉鎖され、20分から40分の間をおいて2編成の列車が瀋陽方向に向かって走り去った」(情報筋)

また、この4日前から鴨緑江大橋の周辺に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)所属のものと思われる船舶が待機している様子が目撃されている。

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「2011年に金正日総書記(当時)の乗った列車が丹東駅を通り過ぎるときにも、北朝鮮軍が鴨緑江大橋の監視を行っていた。あの時と雰囲気が似ている」(情報筋)

2011年に金正日氏が8日間の日程で中国を訪問したときには、列車で北京を発ち瀋陽、丹東を経て北朝鮮に帰国するルートを利用した。その当時も丹東駅は完全に閉鎖され、鴨緑江大橋の周辺には公安と国境警備隊が配置され完全に閉鎖された。

「北朝鮮から高官が来たため、国境統制が強化された」と述べた丹東の住民は、「25日の夜10時から警戒がさらに強化された」と伝えた。高官が誰なのかはわかっていないが、北朝鮮発の特別列車が厳しい警戒態勢の中で夜中に通過したことを考えると、最高クラスの高官であると思われる。

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別の市民は「先週末から駅も税関周辺も警戒が厳しくなっている」「税関が閉鎖され、先週金曜日に中国に入国したトラックが26日午前の時点でも北朝鮮に帰国できずにいる」と述べた。この市民も、北朝鮮の高官が来たものと見ている。

緊張した雰囲気は北京でも感知されている。北京の情報筋は、1週間前から中国外務省が北京駐在の北朝鮮大使館の関係者と異例の全体ミーティングを行うなど、注目すべき動きが起きていると伝えた。

「以前とは異なる話が行き交っている。まもなく中朝関係改善などのいい話があるとの話も耳に入っている」(情報筋)