また政治犯収容所だけでなく、強制送還された脱北者らを収容する施設も、人権侵害の現場となっている。そこで行われていることは、被害者たちの証言に繰り返し触れながらも、日本の常識ではなかなか信じられないほど凄惨なものだ。
(参考記事:北朝鮮、脱北者拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)さらには、北朝鮮が過去に行った国民に対する大量殺戮の証拠も見つけなければならない。例えば、1993年に発覚した「フルンゼ軍事大学留学組」によるクーデター未遂や、1995年に起きた6軍団のクーデター未遂などの事件が起きると、そこに連座したとみなされた人々はことごとく銃殺され、その一族郎党が管理所に送られた。そうして殺された人々の亡骸は北朝鮮の野山に埋められており、その場所を特定することが必要なのだ。
(参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」)