人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

金正日が咸鏡道清津市を含めた道内の多くの場所で相次いで現地指導をしたと、朝鮮中央放送が8日報道した。9日には咸鏡道に新たに建設されたオランチョン1号発電所を視察した。

金正日の相次ぐ咸鏡道の現地視察は、随分気になる。

6カ国協議が北京で進行中で、国際社会の耳目が金正日に集まっているというのに、重要な軍の部隊でもない咸鏡道の一般の施設を視察し、一層注目される。核問題や朝鮮半島の軍事的緊張が発生した場合、金正日は主に軍部隊の訪問を行ってきた。

金正日の一般の視察訪問は最近、咸鏡道で起こった多くの状況とかみ合い、好奇心をそそる。

咸鏡道は金正日と北朝鮮政府の中核がある、首都平壌から遠く離れ、中央の指示と統制が他の地域に比べてかなり弱いという特徴がある。また、中朝間の長い国境線に接しており、脱北者によって最も活発なルートとして利用される所でもある。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

最近では、北朝鮮国内の民心の動向、また北朝鮮政府が外部に情報が知られることをはばかる、敏感な情報の外部への通路として利用されてきた。また最近、国境警備隊の軍人たちの集団脱走と、化成16号管理所の政治犯たちの集団脱走のような事件が確認されもした。

中朝国境を利用した活発な国境貿易で、咸鏡道の住民たちは北朝鮮のどの住民よりも、外部の情報に早く、また咸鏡道は北朝鮮の内部の事情が外部に最も多く流出する地域だ。実際、咸鏡道の住民の北朝鮮政府に対する反感は、どの地域よりも高く、北朝鮮を脱出する脱北者の割合も、他の地域と比較できないほど断然高い。

北朝鮮に’韓流熱風’を知らせるのも、咸鏡道の住民たちが先導的な役割を果たす。中国に親戚のいる人々が多く、合法的に中国へ行く人々も、咸鏡道の住民が一番多い。彼らによって北朝鮮に伝わる韓国ドラマと映画、韓国産の商品は、韓流熱風を吹かせる原動力でもある。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

咸鏡道清津市に住む北朝鮮住民のキム・ヨンチョル(仮名・42歳)さんは10日、記者との通話で、清津市に迫った韓流熱風についてこのように語った。

“既に2002年から私たちのアパート内の多くの住民が韓国ドラマと映画を見ている。祝日には鍵をかけて、家族どうし、一日中韓国ドラマと映画を見た。テレビドラマは一作品が平均20〜30集になっており、私が1集から始めて見れば (互いに早く回して見るため)、下の家は30集から逆に下って報告、隣の家は途中から見る場合もある”

彼は”私たちのアパート30世帯の中で、最低10世帯以上が韓国ドラマと映画を見た”と言い、”どれだけせっぱつまれば、政府が韓国ドラマを見れば処罰するという布告文(政府公告文)を出し、’それでは清津の人を全て捕まえないといけないな’という話しがでるだろうか”と語った。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

咸鏡道は既に6軍団事件(96年に、6軍団の政治委員と高級将校がかかわった反政府事件)で、金正日と北朝鮮政府に大きな衝撃を与えた地域でもある。90年代半ばの大飢餓の時期に、食糧の供給が一番最初にカットされた所も、咸鏡道であり、最も多くの住民が北朝鮮から脱出した所も咸鏡道だ。金正日に対する反感がどの地域よりも高いのだ。

したがって金正日の立場では、咸鏡道は癌と同じ存在だ。

8日、朝鮮中央放送は“(金正日が)咸鏡道の経済事業を新たに高い段階に引き上げるという課題を提示した”と述べ、 “咸鏡道は金属工業と採取工業を有する、経済の重要な先行的位置にある”と明らかにした。同時に、“咸鏡道の党員と勤労者は、業務を徹底的に遂行することを決意した”と付け加えた。

今回の金正日の咸鏡道の視察以後、住民に対してどのような新しい措置が下されるのか、また住民の民心の動向はどのように展開されるのか注目される。