米空軍、A-10攻撃機の運用をまた延長 対ドローン戦で有効性を再評価
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米空軍は今週、近接航空支援に特化したA-10攻撃機の運用を少なくとも2030年まで延長する方針を明らかにした。これまで退役と運用延長の決定が繰り返され、2020年代後半には最終的な退役が見込まれていた同機だが、後継戦力の不足に加え、無人機(ドローン)対処能力の再評価が復活につながった。
米空軍はこれまで、老朽化や高脅威環境での生存性の低さを理由にA-10の早期退役を検討してきた。後継としてはステルス戦闘機F-35への任務移行を想定していたが、現実の戦場環境は想定以上に多様化している。特に近年は、小型無人機による攻撃や偵察が戦場で急増しており、これへの対処が新たな課題となっている。専門家によると、A-10は低速での長時間滞空能力と優れた視認性を生かし、低空域を飛行するドローンの探知・追尾に適しており、イラン戦争でも戦果を挙げているとされる。
さらに、機首に搭載された30ミリ機関砲による広範囲射撃は、小型で機動性の高い無人機に対しても有効と評価されている。ミサイルに比べコストが低く、飽和攻撃への対処手段として現実的だとの見方もある。こうした特性は、高価な精密兵器を主とする最新鋭機にはない利点だ。(参考記事:標的はドローン、「空飛ぶ戦車」が手にした新兵器…APKWS IIとA-10”最高の相性”)
一方で、A-10の延命はあくまで暫定措置にとどまる。防空網が高度化した環境では脆弱性が指摘されており、将来の大規模戦争への適応には限界があるとの見方は根強い。
それでも、対地支援に加え対ドローン戦という新たな役割を担うことで、A-10は当面の戦力としての存在感を維持することになりそうだ。米空軍関係者は「退役の方向性は変わらないが、現実の戦場がそれを許していない」と述べ、延命の背景にある苦しい事情をにじませた。
