北朝鮮の富裕層女性の間で、美容や外見への関心が高まっていることが分かった。若年層では体型維持のためのダイエットが流行し、中年層ではしわ改善を目的とした美容施術に資金を投じるなど、世代ごとに異なる「美意識」が広がっているという。

19日、デイリーNKの内部消息筋が明らかにしたところによると、咸鏡北道・清津市では、比較的裕福な家庭の若い女性を中心に「痩せていることが美しい」とする価値観が定着しつつある。かつては「ふくよかな体型が健康的」とされていたが、現在ではスリムな体型が好まれる傾向が強まっているという。

若い女性の間では、食事量を減らしたり運動を取り入れたりするなど、日常的に体重管理を意識する動きが広がっている。友人同士で体重の話題が頻繁に交わされ、「ダイエット」という言葉も日常的に使われるようになるなど、外見への関心の高まりがうかがえる。こうした変化の背景には、韓国の映像作品や流行の影響があるとみられている。

一方で、40~50代の富裕層女性の間では、肌の老化対策に対する関心が顕著だ。特に、筋肉を弛緩させてしわを目立たなくする効果があるとされるボトックス施術に関する情報に敏感に反応しているという。消息筋は「生活に余裕のある家庭では、女性たちが若く見えるために積極的に美容に金をかけている」と指摘する。

北朝鮮でのボトックスの価格は1回あたり1万北朝鮮ウォンからとされ、価格帯には幅がある。施術は個人の医師から勧められるケースのほか、口コミで評判のものを入手する例もあり、一部は市場(チャンマダン)を通じて流通しているとみられる。

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ただ、当局による市場取り締まりが厳しいため、購入は秘密裏に行われることが多く、販売者と直接連絡を取り市場外で受け取ったり、使い走りを通じて自宅に届けさせたりするなど、取引は地下化している実態も浮かび上がる。

さらに、しわ改善に効果があるとされる輸入化粧品にも人気が集まっており、富裕層女性の間では出費を惜しまない傾向が強いという。

消息筋は「生活に困らない家庭の女性にとって、外見は最大の関心事になっている」とした上で、「若い世代は体型管理に、中年世代は老化対策に重点を置くなど違いはあるが、より美しく、若く見られたいという点では共通している」と話している。