米軍によるイラン攻撃後、初めて金正恩総書記の娘・金ジュエ(主愛)氏が公開活動の場に姿を現した。北朝鮮メディアによれば、ジュエ氏は3月8日、平壌で開かれた「国際婦人デー」の記念公演に出席し、またもやひな壇のセンターに位置した。
今回の登場が注目されるのは、その直前の動きとの対比である。米軍がイランに対し、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が死亡したとされる攻撃を行った直後、金正恩氏は狙撃兵射撃競技の観戦や新型駆逐艦の試験関連活動など、軍事分野の視察を相次いで実施した。しかし最近の軍事行事では頻繁に同行していたジュエ氏の姿は見られなかった。そのため、米国の「斬首作戦」とも言われる攻撃を受け、後継者と目されるジュエ氏の安全を考慮した可能性が指摘されていた。ところが今回、ジュエ氏は再び公の場に登場し、しかも女性を称える政治イベントの中心に座る形で存在感を示した。(参考記事:【写真】金正恩父娘“恋人のような密着シーン”に北朝鮮内部から「おぞましい」との違和感も)
会場では、ジュエ氏の隣に金正恩氏の妹で党幹部の金与正氏が並ぶ姿も確認された。後継者候補とされる娘と、体制内で実力を持つ叔母が並ぶ構図は象徴的であり、北朝鮮が「女性の時代」を演出しているかのようにも見える。
その後、ジュエ氏は駆逐艦で行われたミサイル試射の視察にも姿を見せた。軍事行事への同伴が続いていることを考えると、ジュエ氏を前面に押し出す演出は今後さらに増える可能性がある。北朝鮮の権力構図を読み解くうえで、ジュエ氏の登場頻度は重要な指標になりそうだ。
