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北朝鮮は6日、国連による4度目のUPR(普遍的・定期的レビュー)に際し、国連人権理事会から昨年11月に出された294の勧告のうち、約半分の144に対して「受け入れない」とする内容の報告書を同理事会に提出した。

北朝鮮が「受け入れない」とした勧告の中に、拷問禁止条約の批准がある。北朝鮮では、特に秘密警察や政治犯収容所などにおいて拷問や虐待が横行しているが、国際的にも注目されているのが強制送還された脱北者たちの扱いだ。

(参考記事:北朝鮮女性を追いつめる「太さ7センチ」の残虐行為

特に深刻なのが中国人男性と結婚するなどして妊娠した女性に対する強制堕胎だ。韓国のNGO・軍人権センターの面接調査に応じた元女性兵士の脱北者によると、強制堕胎には「ボールペンほどの太さの針がついた注射器」が用いられるという。

送還された脱北者が収容される施設の中でも、特に悪名高いのが全巨里(チョンゴリ)教化所(刑務所)だ。2008年から2年間、同教化所に収監された脱北女性の韓国デイリーNKに対する証言を以下に紹介する。

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問:教化所では、受刑者は暴力を振るわれているのですか?

「暴力は常にありました。担当の先生(看守)に殴られたり、見張り兵に殴られたり。受刑者同士の喧嘩もありました。担当の先生に殴られるケースが多いのですが、幸い私の班の担当の先生は、あまり人を殴ったりしない人でした。しかし、『野菜班』の先生は本当にひどい人でした。その班の人の半分が怪我をさせられていましたから。肋骨が折れたり、腰を痛めたりして、出所後の後遺症に苦しめられているそうです」

問:教化所での生活でほかに耐え難かったことは?

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「しょっちゅう病気になり、40度の熱が出たりしました。栄養失調で死ぬ人を毎日見ましたが、そういう人が病原菌の媒介になるんです。衛生状態は言葉で言い表せないほどでした」

問:栄養失調で死ぬ人はどれぐらいいましたか?

「死んだ人は週に1回、毎週月曜日に、全巨里教化所の裏にあるプルマン山で焼かれていました。私は『ジャガイモ班』所属だったのですが、死体を燃やすところのすぐ隣の畑で働いていたので、その過程を目の当たりにしました。死体は、牛車2台に積んで運んできます。牛車はだいたい500キロの荷物を積むことが出来ます。

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そして男性の受刑者が死体を背負って山に登り、薪に火を付けて焼いていました。そばには遺骨の灰がうず高く積み上がっていて、作業をするときにはそこを踏んで通らざるを得ませんでした。教化所での生活は、死んだ人を横に寝かせたままで食事をするのが日常と言ってもいいほどでした」

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

中国には今も、数万人とも10万人以上とも言われる脱北者が潜伏しており、その多くが女性だとされる。以前、そうした人々の中にはモンゴルや東南アジアを経由するなどして韓国へ逃れるケースも多かったが、現在は中国当局の監視強化により身動きが出来ない状態だ。

中国当局は摘発した脱北者の強制送還を続けている。今後、万人単位の人々が、上述したような非人道的な境遇に追いやられる可能性が高いのである。