北朝鮮軍の大佐「落書きしまくり」で公開処刑

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北朝鮮では先月26日、道・直轄市・市・区域・郡の人民会議(地方議会)の代議員選挙が行われた。

従来は当局が決めた1人だけの候補者に賛成票を投じるだけのものだったが、今回からは形だけのものではあるが、複数の候補から選ぶ形となった。そのため町の至るところに候補者の写真と経歴が貼り出されたのだが、そこで思わぬトラブルが起きたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、朝鮮労働党両江道委員会(道党)は13日、他の選挙区に先駆けて、道内の甲山(カプサン)郡の選挙区をモデルケースにして、予備選挙で選ばれた二人の候補の写真と経歴を貼り出した。

ところがその日の夜、ポスターが破られ、落書きがされる事件が発生した。こうした行為は、北朝鮮では重大事件として扱われる。金正恩総書記と国家の権威に対する「挑戦」とみなされるからだ。

実際、5年ほど前にはある軍人が「落書き」の罪で逮捕され、公開処刑された例もある。

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平壌のデイリーNK内部情報筋によれば、処刑されたのは軍作戦局上級参謀の大佐だ。「上級参謀は両江道(リャンガンド)と江原道(カンウォンド)に駐屯している各軍団の訓練状況を視察し、上層部に報告する任務に携わっていた。そして3年にわたり、あちこちの地方を回りながら、金正恩体制に反対する落書きを書きまくっていたらしい」という。

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ここで言われている「3年にわたる落書きしまくり」が、大佐の自供によるものなのか、それとも北朝鮮当局の一方的な主張であるのかは、まだわからない。だが、この言葉が事実ならば、その時期に北朝鮮国内から伝えられた各種の落書き事件の多くを、この大佐が主導した可能性があるということだ。

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情報筋はまた、「(当局は)処刑に際し、『(犯人が)黒いカネを受け取り、一次的な誘惑に負けて反逆行為を働いた』と主張した」と伝えた。

北朝鮮はこれまで一貫して、韓国の国家情報院が自国に謀略を仕掛けてきたと主張している。ここで出た「黒いカネ」というのも、それを意味していると思われる。またそのことを強調することで、内部の思想的な結束を強める効果を狙ったのかもしれない。