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中朝国境では、北朝鮮女性に「中国で働いてみないか」などと持ちかけ、脱北させた上で売り飛ばし、性風俗業で働かせる人身売買が横行している。

2019年からこの問題の調査を続けているオランダの国際法律事務所「グローバル・ライツ・コンプライアンス」は23日、人身売買の被害に遭った脱北女性に関する報告書を発表した。

同事務所が以前に出した報告書は、中朝国境沿いの地域にいる脱北者を15万人から20万人と推定したが、今回の報告書では、脱北女性だけでも数十万人に達し、その7〜8割が人身売買の被害者であるとした。

(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も

新型コロナウイルスの世界的な流行により、中国から出国できなくなったことから、2020年からの期間中だけでも数千人の脱北女性が性売買や強制結婚の被害に遭っている。

1人あたり数百ドルで売られた脱北女性は、中国人男性に買われ、強制結婚させられる。

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吉林省延辺朝鮮族自治州の中国人男性と結婚させられたある脱北女性は、結婚して1年経っても子どもができなかったため、夫に暴力を振るわれるようになり、頭を蹴られ続けたことで、深刻なトラウマを抱えることになったと証言した。

人身売買により犯罪組織が手に入れるカネは、年間1億500万ドル(約140億8700万円)に達すると、報告書は推定している。

(参考記事:「中国人の男は一列に並んだ私たちを選んだ」北朝鮮女性、人身売買被害の証言

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同事務所のソフィア・エバンジェロ弁護士は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)とのインタビューで「北朝鮮の国境封鎖と中国の情報遮断により、中朝国境沿いの危険地域で起きている人権侵害が正確に伝わっていない。北朝鮮女性と少女たちは、性的、精神的虐待、性奴隷、強制労働に至る残忍な現実に置かれている」と述べた。

エバンジェロ氏はこれ以上、北朝鮮の女性と少女への蛮行を見過ごしてはならないとし、国際社会に声を上げるよう求めた。

一方で中国政府は、脱北者問題に関して中国と北朝鮮の間の問題だとして、第三国の介入を拒絶している。当該地域の公安当局は、性暴力も違法な性風俗業も取り締まらず、脱北者の取り締まりは熱心に行っている。

(参考記事:中国公安「在住公認」の脱北女性を次々逮捕で広がる不安