「世襲体制の危機か」北朝鮮国民が動揺する異常事態

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北朝鮮で「民族最大の名節」と呼ばれる毎年4月15日の太陽節。後に朝鮮民主主義人民共和国を建国し、主席を務めた故金日成氏が1912年のこの日に生まれたことを盛大に祝う日だ。

今年は生誕111周年を迎えるが、各地で予定されていた祝賀行事が相次いで中止される異例の事態となっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、太陽節に予定されていた忠誠の歌の集い、広場に集まって踊る慶祝舞踏会、スポーツ、パレードなどのほとんどの行事が中央からの指示で中止となったと伝えた。

雨が降ろうが槍が降ろうが必ず行われていた太陽節の行事だが、どういうことか「雨が降った」という理由だけで、中止されてしまった。

これらの行事やその準備には多くの市民が動員される。参加しなければ思想的に問題のある人物とみなされかねないので、ぶつくさ言いながらも参加するものだった。

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しかし、「雨天中止」という知らせに、1カ月をかけて準備にあたっていた市民は、大きなショックを受けている。こんなことは未だかつてなかったからだ。

通りに掲揚されていた国旗も降ろされ、街からはお祭りムードが消え、閑散としてしまった。

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両江道(リャンガンド)の情報筋も、太陽節の記念行事が、朝に金日成氏の銅像に花を捧げたり、大学の玄関でちょっとした歌の集いがあったのを除いて、すべて中止になったと伝えた。理由は同じく「雨が降ったから」だ。

面倒な行事がなくなり、ゆっくり休めることになったことを喜ぶ人もいる一方で、金氏一家の三代世襲体制の土台が揺らいでいるのではないかと疑心暗鬼に駆られる人もいたという。

金日成氏よりも、現在の最高指導者の地位にある金正恩総書記の権威を高めるために、行事を縮小したのではないかとの見方もある。金正恩氏が、祖父と父の故金正日総書記が安置されている錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を訪れなかったのも、例年とは異なる点だ。

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いずれにせよ、祝賀行事の中止の本当の理由はわかっていない。