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昨年、新型コロナウイルスに対する「非常防疫大戦」を繰り広げた北朝鮮。金正恩総書記は昨年8月、勝利宣言を行ったが、実際のところ、感染症との戦いでは負け戦の連続だ。

北朝鮮では腸チフス、パラチフス、コレラ、赤痢などの様々な感染症が蔓延しているのだ。その原因としては水道施設の未整備が挙げられる。昨年、防疫機関が行った水質調査の結果、飲用に適した水は10%に満たないという衝撃的な結果が明らかになっている。

(参考記事:伝染病の広がる北朝鮮「飲用に適した水はわずか10%」

北朝鮮政府は、感染症の蔓延に対処するため全国的な調査に乗り出した。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

内閣の保健省と国家非常防疫司令部は先月末、40日間にわたって全国的な検診を漏れなく実施せよとの共同指示文を下した。小学校2年生の子どもから、年老保障(年金)を受け取っている高齢者に至るまで、12項目のチェックを行えというものだ。

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これを受けて咸鏡北道防疫指揮部は、清津(チョンジン)市と隣接する2つの郡の保健イルクン(幹部)を病院に派遣し、レントゲンと血液検査をメインに全住民を対象とした病原菌やウイルス検査を行うよう指示。結核、肝炎、腸チフス、パラチフスなどの保菌者は、予防院(予防医学専門の病院)に入院させて治療を受けさせる方針を打ち出した。

今回の全国的な検診はまだ始まったばかりで、どのような結果が出るかはわからないが、北朝鮮の現状を考えると、様々な現象の発生が予想される。

保菌者が非常に多く、予防院で収容しきれない場合には、別の施設で収容することになるだろう。しかし暖房が効かず、まともな給食が行われないため、自宅にいるより健康を害するかもしれないと恐れた人々が、ワイロを払って検査や入院を逃れるかもしれない。

(参考記事:「感染より餓死が怖い」北朝鮮国民、コロナ対策で生命の危機

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また、ただでさえ量が足りず価格が高騰している医薬品が、さらに高くなったり、品薄になったりすることも考えうることだ。

北朝鮮が自慢しているが、実際は形骸化している「社会主義保健医療制度」を正常化させ、水道施設など衛生環境の整備が行われない限りは、全国的な検診もその場しのぎにしかなりえないのだ。

(参考記事:商人に「国定価格」を強要…医薬品高騰に悩む北朝鮮