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国連安全保障理事会の制裁決議の網をかいくぐる形で、北朝鮮は数万人の労働者を海外に派遣している。その派遣先のひとつであるロシアは先月24日、ウクライナに対する侵攻を始めたが、北朝鮮労働者にもその影響が及んでいる。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

サンクト・ペテルブルグの高麗人(朝鮮系ロシア人)情報筋がまず挙げたのは、ルーブル暴落の影響だ。戦争直後は1米ドル(約115円)が83ルーブル程度で推移していたが、世界各国の制裁により今月1日には一時1米ドル/117ルーブルまで下がるなど、大暴落している。

北朝鮮人労働者は、毎月約700米ドル(約8万1000円)の国家計画金、つまり上納金を納めなければならないが、ドル建てで計算されるため、侵攻前は約6万ルーブルだったのが、8万ルーブル前後になってしまったのだ。いかなる理由があろうとも未納は許されず、当局側に、額を一時的にでも減らそうという動きはない。

ルーブル暴落に慌てた派遣元の北朝鮮の貿易会社は、まず労働者の食費を減らすことから手を付けた。また、派遣先から得た給料から仲介手数料、国歌計画金、労働者の生活費などを差し引いた額を労働者に支給しているが、現状では労働者の食費を賄うのがやっとで、月給を支払う余裕もないと、情報筋は伝えた。

ちなみに、サンクト・ペテルブルグとモスクワ周辺では、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)傘下の未来建設会社と対外建設指導局建設会社、国家保衛省(秘密警察)傘下の大宝(テボ)建設会社が、2〜30代の労働者3000人を働かせているとのことだ。

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(参考記事:【動画】北朝鮮労働者とタジキスタン労働者、ロシアで大乱闘

極東・ウラジオストクの高麗人情報筋も、現地の北朝鮮労働者の苦境を伝えた。彼らは朝7時から夜11時まで働いているが、ルーブルの暴落により、月給が半額になってしまったという。ウラジオストク近辺で働く北朝鮮労働者の数は約2万人に達するという。

また、かつては認められていた、派遣先以外でも働く「バイト」が禁止されたため、収入は減る一方だろう。

(参考記事:ロシアに派遣された北朝鮮労働者に「バイト禁止令」