少年少女「性びん乱パーティー」に見る北朝鮮社会の退廃

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経済制裁下にある北朝鮮から、治安が悪化しているとの情報が伝えられるようになって久しい。一部の地域では困窮した労働者が工場の設備や資材を盗んで売り払い、社会問題になっている。

1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の時代には、こうした事件が頻発した。当局は公開処刑などの極刑で抑え込みを図ったが、それでも盗難の続発は収まらなかった。

親たちの行為を真似て

このような状況の中で、少年犯罪もまた過激化しているようだ。両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)で今年9月、若者と兵士との間で乱闘騒ぎが起きたことは本欄ですでに伝えた。現地のデイリーNK内部情報筋によると、中学生5~6人がアヘンを注射しつつ通りを闊歩。偶然出会った兵士らに襲いかかり暴行を加えたという。

このような暴力事件は、過去にも起きている。昨年7月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「学生による凶悪犯罪が社会的な問題になっている。清津(チョンジン)市では高級中学校(高校)の生徒らが集団で乱闘を繰り広げ、凶器で相手を刺し死亡させる事件が起きた」と語っている。

一方、咸鏡北道の別の住民は最近、RFAに対し、現地では青少年による韓流コンテンツなど違法映像物の流布、覚せい剤などの違法薬物麻薬、売春、そして「不穏パーティー」の拡散が勢いを増していると説明している。ここでの「不穏パーティー」の詳細は語られていないが、どのようなものかを推測する手掛かりならある。

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咸鏡北道では2017年初め、大騒動が持ち上がった。現地のデイリーNK内部情報筋は当時に、次のように証言した。

「2月5日、会寧(フェリョン)市内の中学校で、生徒の父母を集めた『大総会』が開かれた。これを主導したのは、薬物と不法映像物、売買春を取り締まる中央の特務機関である『620常務』だ。内容は、オルム(覚せい剤)を服用して性行為を行っている生徒らの非行問題で、とくに悪質と見られた生徒らの実名が公表された。総会では、生徒の6人に1人が覚せい剤を服用している点が強調された。当局は子供でも容赦しない方針で、刑事処分が下されるようだ」

日本国内で、たとえば芸能人などが薬物乱用で摘発される際には、かなりの割合で「男女関係」が絡んでいる。北朝鮮では、少なくない中学生が、早くも同様の行為に及んでいるのだから驚く。

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問題は、子供たちをいくら厳しく取り締まったところで、現状が改善するかは疑問であるということだ。子供たちは、家でオルムを乱用する親たちの姿を真似ながら、こうした問題行為に走っているからだ。

(参考記事:「男女関係に良いから」市民の8割が覚せい剤を使う北朝鮮の末期症状

金正恩党委員長はかねてから、違法薬物の乱用を厳しく取り締まる姿勢を見せてきた。しかし経済制裁により庶民の生活が困窮し、社会の荒廃が進めば、当局の取り締まりも大きな成果を上げることはいっそう難しくなっていくだろう。