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朝鮮中央通信が北朝鮮の洪水被害を異例に、直接、迅速、具体的に報道し、その背景が注目されている。

同通信は14日、“7日から連日続く大量の雨(集中豪雨)で、多くの人的、物質的被害が発生した”と述べ、“12日までに総合された資料によると、今回の大量の雨で、数百人が死亡及び行方不明になり、6万3千300世帯余りの家が破壊され、浸水した”と伝えた。

人命被害が正確に報道されてはいないが、数万町歩の農耕地の浸水・埋没・流失、800棟以上の公共の建物、540ヶ所以上の橋、70ヶ所のレール、路盤、1100台以上の運輸機材、揚水機、電動機の破壊など、被害の状況を外部に具体的に報道するのは今回が初めてだ。

去年、朝鮮中央通信をはじめとする北朝鮮の公式メディアは、洪水の被害後、1ヶ月近く経ってから報道した。8月15日を迎え、長い間準備してきた大規模なマスゲーム‘アリラン’の公演を中断するほど、洪水の被害が大きかったが、報道に愼重を期した。

ただ、日本の朝鮮総連の機関紙である朝鮮新報を通じて、“549人の死亡者と295人の行方不明者、3千43人の負傷者が発生し、住宅1万6千667棟が被害を被り、2万8千747 世帯の被災者が発生し、1180棟の公共の建物と生産用の建物が被害を被り、農耕地はあわせて2万3千974町歩が被害を被った”と報道した。

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北朝鮮の公式メディアの報道の仕方は、大きく分けて2つある。

第1は、住民たちが知らなければならない党の政策などは、労働新聞や3放送(有線放送)を通じて報道し、住民たちが知ってはいけない事実は一切報道しない。

例えば、6ヶ国協議やバンコ・デルタ・アジア(BDA)銀行の資金凍結の内幕などは報道しない。洪水の被害、殺人事件、火事等々、’よからぬこと’は報道から除かれる。そのため、過去に北朝鮮で起こった大事故は、世に知られないままそっくりそのまま葬られてきた。

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第2に、国際社会に知らせなければならない必要がある問題は、’対外窓口’の役目を果たしている朝鮮新報を通じて報道してきた。

今回、朝鮮中央通信が水害の状況を異例に早く報道したことは、韓国と国際社会から、緊急救護物資と食糧などを誘致するための、‘情の誘発’であると思われる。なおかつ、南北首脳会談を利用して、‘我が民族同士’の精神を高揚させ、対北支援を促すための計算があったとみられる。.

北朝鮮が内部で発生した被害を公開し始めたのは、ヨンチョンの列車爆発事故(2004. 4)の時からだ。北朝鮮の政府は、外部の援助を受けることができる事件ならば、この時から事実上’体面’よりも実利を追求してきた。

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しかし、北朝鮮が今回の朝鮮中央通信の報道を契機とし、客観的な報道の原則(?)を定例化する可能性はない。