韓国で「イスラム国摘発」の語られざる背景

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韓国で今年、武装勢力「イスラム国」(IS)シンパの外国人らが爆弾の材料を同国内に持ち込もうとして、摘発される事件があったという。

情報機関の国家情報院が20日、国会情報委員会に行った報告で明らかになった。

摘発された外国人の国籍など、明らかにされていない部分が多いが、いずれにせよショッキングな情報だ。

筆者自身もそうなのだが、中東や欧州などでISの残虐行為やテロが猛威をふるうのを見ながらも、「自分の身に降りかかることはまずない」と思っていた人がほとんどではないだろうか。例えば捕虜を生きたまま閉じ込めた鉄製の檻をクレーンでプールに沈め、彼らが水中で溺死する様子を撮影したイスラム国の残虐動画を見せられたとしても、それと自分を関連付けて考えることなど誰にとっても簡単ではない。

だが実際のところ、ISの影響はかなり以前から、すぐ近くにある東南アジアにまで及んでいる。

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そして遂に、彼らの「影」が東アジアにまで伸びてきたようだ。

もっとも、よくよく考えてみれば韓国、そして北朝鮮も、ISを含むイスラム過激派と無縁な国だったわけではない。

一般にはあまり語られないが、韓国はイラク戦争の時、米英に次ぐ規模の部隊(3600人)を派兵した国である。日本と同様に戦闘には参加しなかったが、米国を憎悪する人々に「敵」としての姿を見せてしまった事実は容易に消えないだろう。

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また、2007年には韓国のキリスト教団体がアフガニスタンで無謀な布教活動を行い、タリバンに拉致される出来事もあった。

ちなみに今年4月12日には、リビアの首都トリポリの駐リビア韓国大使館が、何者かによって銃撃を受ける事件が起きている。韓国人の被害はなかったが、現地の警察官3人が死傷。そして発生2時間後にISの「トリポリ支部」を名乗るグループがツイッター上で犯行声明を出した。

一方で北朝鮮は、イスラム国の敵であるシリアに軍事援助を行っているほか、最高指導者の金正恩氏が、シリアのアサド大統領と誕生日に熱いメッセージを交換するほどの盟友関係にある。

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ISからすれば、これは明確に「敵」であろう。

米国と軍事的つながりを強める日本も例外ではない。ISから正式な暗殺ターゲットとして名指しされ、実際に犠牲者が出たばかりだ。

こうした展開に、私たちはどう対処すべきか。もちろん、警戒を強めることが先決だが、それだけでは足りないような気もする。

これを機に、自分の国が中東やその他の世界と直接・間接にどのような関わりを持ってきたのか、まずはそれを知ることから始めるべきだろう。