朝鮮民主主義人民共和国
収買法
チュチェ111(2022)年10月6日最高人民会議常任委員会政令第1078号として採択

第1章 収買法の基本

第1条(収買法の使命)

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朝鮮民主主義人民共和国の収買法は、収買事業で制度と秩序を厳しく立て、収買品に対する人民経済的需要を円滑に保障(編集部注:供給の意)し、人民生活を向上させることに資する。

第2条(用語の定義)

本法における用語の定義は以下の通りである。

  • 収買とは、協同団体または公民が生産したり余剰として持っている農産物、畜産物、水産物、土産物、副産物、古資材、物品などを該当する価格を受け取って、収買企業所に売る行為である。
  • 収買品とは収買する物品である。
  • 収買者とは、収買品を売る協同団体または公民である。
  • 収買企業所とは、収買品を買い取る機関、企業所である。
  • 直接収買とは、収買を原料、資材として利用する機関、企業所が収買者から収買を直接行う行為である。
  • 専門収買企業所とは、収買者から収買を収買、他の機関、企業所、団体や公民に販売、供給する行為を専門とする機関、企業所である。

第3条(収買の基本形式)

収買は、国家計画機関から課せられた収買計画(編集部注:ノルマの意)とそれに基づく契約に従い進行する計画収買法形式と、収買者と収買企業所の自由な意思により結んだ契約に従い行う自由収買法形式とする。

第4条(全群衆的運動による収買原則)

収買事業を全群衆的運動として繰り広げて、生産に必要な原料、資材の源泉を積極的に見つけることは、朝鮮民主主義人民共和国の一貫した政策だ。

国家は中央から地方に至るまで、収買事業体系を整然と立てて、収買事業において収買者の利便性を最大限に保障し、彼らが収買の源泉を最大限探求、動員し、収買事業に主人として参加する。

第5条(収買の合理的組織原則)

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国家は、専門の収買企業所を通じて収買するか、機関、企業所が直接収買する方法をはじめ、収買事業を合理的に組織する。

第6条(収買当事者の利益結合及び資源性保障原則)

国家は、収買事業において国家的利益と受益者の利益を正しく結合させ、資源性の原則を守る。

第7条(収買品種の拡大原則)

国家は再資源化事業が発展するに合わせて、収買品種を絶えず増やしていく。

第8条(法の適用)

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収買計画の作成及び示達、収買契約の締結及び履行、収買価格の制定、収買品の保管、処理のような収買事業は、この法律に従う。

収買に関してこの法律に規制されていない事項は、当該法規に従う。

第2章 収買計画及び収買契約

第9条(収買計画の作成及び示達)

国家計画機関は、人民経済的需要と源泉を正確に計算して現実性のある収買計画を立てて収買する協同団体と収買企業所に示達しなければならない。

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収買計画指標を定める事業は中央計画指導機関が行う。公民に収買計画を課す行為はできない。

第10条(収買計画の遂行)

収買計画を正確に立てることは、機関、企業所、団体にとって義務である。

収買計画を課された機関、企業所、団体は計画を月別、四半期別、指標別に間違いなく遂行しなければならない。

第11条(計画に基づく収買契約の締結)

収買計画を課された収買者と収買企業所は、収買計画に基づいて収買契約を結ばなければならない。

計画に基づく収買契約は書面で結ばなければならない。

第12条(自由収買契約の締結)

自由収買で、収買者と収買企業所は自由な意思に従って収買契約を結ぶ。

収買者が協同団体の場合、収買契約は書面で結ぶことを原則とし、必要に応じて口頭でも結ぶことができる。

口頭で契約を結んだ場合には、その事実が証明されなければならない。

第13条(書面契約の締結方式)

書面で結ぶ収買契約書の草案は、契約当事者が直接合意して作成するか、一方の当事者が作成した草案を相手側当事者に送って意見を聞いて修正する方法で作成することができる。

収買者と収買企業所は、契約書草案についての合意がなされれば、機関、企業所、団体の場合には公認を、公民の場合には署名する方式で契約を結ぶ。

第14条(収買契約の効力)

書面で結ぶ収買契約は、契約当事者が別段の定めがない限り、契約書草案に、収買者と収買企業所が公認を取ったり署名したりしたときから効力を発生する。

第15条(収買契約に反映する事項)

収買当事者は、収買契約書に、収買者と収買企業所の名前または名称、収買品の品種、数量、質、規格、収買価格、収買契約の履行期間と方法など、必要な事項を明らかにしなければならない。

第16条(収買契約の履行)

収買者と収買企業所は、締結した収買契約を正確に履行しなければならない。

収買契約を不履行したり正確に履行していなかったりする行為に対する責任は、過誤のある当事者になる。

第17条(収買契約の取り消し)

一方の当事者が収買契約で定めたとおりに契約を履行しない場合、相手の当事者は当該契約を取り消すことができ、それにより被った損害の補償を受けることができる。

第3章 収買手続きと方法

第18条(収買者続きの簡素化、収買方法の多様化)

中央計画指導機関と当該中央機関、地方人民委員会は、収買手続きを最大限に簡素化し、機関、企業所の生産活動に便利に直接収買を組織し、収買源泉の分散性と収買品種の特性に合わせて集中収買、交換収買、移動収買、委託収買など、さまざまな収買法を積極的に適用しなければならない。

第19条(専門収買企業所の組織、運営)

当該中央機関と地方人民委員会は、部門別、地域別、収買品種別の特性に合わせて、専門収買企業所を合理的に組織し運営することができる。

専門収買企業所は、定められた品種の収買品を収買しなければならない。

第20条(直接収買)

直接収買をしようとする機関、企業所は国家計画機関の承認を受けなければならない。

直接収買承認を受けた機関、企業所は、売り場、収買作業班、売り場、収買交換所などを実情に合わせて組織し、収買者から買い取り生産用原料、資材として利用することができる。

第21条(集中収買)

収買企業所は、収買日と収買場所をあらかじめ決めて、収買品を集中的に買い取ることができる。

地方人民委員会と当該機関、企業所、団体は、すべての公民が収買事業に動員され、収買源泉を集中収買できるように収買宣伝を強化しなければならない。

第22条(交換収買)

収買企業所は、自らが生産した製品又は生産企業所から引き渡された製品を収買者に引き渡し、それに当該する収買品を買い取ることができる。

製品と収買品の間に価格差がある場合には、その差額を現金でやりとりすることができる。

第23条(移動収買)

収買企業所は、生産現場または住民地域を定期的に巡回しながら、収買品を買い取ることができる。

収買企業所は、買い取った収買を時々処理しなければならない。

第24条(委託収買)

収買企業所は、必要な地域に固定的な委託収買場を組織し、他の機関、企業所、団体や収買者に委託して、買い取ることができる。

委託収買は、収買企業所と委託される者の間に結ぶ委託収買契約に従う。

委託収買に入った費用は、収買企業所が負担する。

第25条(受売者の便宜保障)

収買企業所は、収買場所と収買時間、収買法を合理的に定め、奉仕性を高め、売り手の利便性を最大限に保障しなければならない。

第26条(収買品種)

収買品種を定める事業は中央計画指導機関が行う。

中央計画指導機関は、人民経済的需要と人民生活保障の要求に合わせて、収買品種を適切に定めなければならない。

第27条(収買価格)

収買品の価格は、計画収買の場合は国家価格機関が、自由収買の場合は収買当事者が合意して定める。

国家格の機関は、機関、企業所、団体と公民が収買事業に切実な利害関係を持つことができるように収買価格を合理的に定めなければならない。

第28条(収買金額の支払い、収買証の発行)

収買企業所は、収買を行う場合、収買者が定めた収買価格を支払って収買証を発行しなければならない。

第29条(受売品の保管管理)

収買企業所は保管施設を備え、収買品の保管管理を徹底し、収買品が破損、腐敗、変質しないようにしなければならない。

第30条(収買品の処理)

収買企業所は、収買した収買品を定められた用途に合わせて処理しなければならない。

収買された収買品を密売したり、流用したりする行為はしてはならない。

第31条(収買実績資料の提出)

収買企業所は、まとめられた収買実績データを当該統計機関に正確に提出しなければならない。

第4章 収買事業に対する指導統制

第32条(収買事業に対する指導)

収買事業に対する指導は、内閣の統一的な指導の下、中央計画指導機関と当該機関が担当する。

中央計画指導機関と当該機関は、収買事業体系を整然と立て、機関、企業所、団体と公民の収買事業を正常に掌握、指導しなければならない。

第33条(収買事業条件保障)

国家計画機関と財政機関、銀行機関、当該機関、企業所、団体は、収買事業に必要な資金と資材、物資などを正確に保障しなければならない。

収買者を他の事業にむやみに動員して収買事業に支障を与える行為はできない。

第34条(収買事業に対する総和)

当該機関と地方人民委員会、収買企業所は、収買事業整形に対する総和を正常に進めなければならない。

総和の際、収買事業において模範的な機関、企業所、団体及び公民に賞金又は優待物資を与えることができる。

第35条(収買事業に対する監督統制)

収買事業に対する監督統制は当該監督統制機関が行う。

当該監督統制機関は、国家の収買法規執行の実態を厳格に監督統制しなければならない。

第36条(民事的責任)

この法律を破って財産上損害を発生させた場合には、責任のある当事者に損害補償、違約金、延滞料支払いなどの民事的責任を負わせる。

第37条(罰金罰)

次の場合には、機関、企業所、団体、公民に罰金を支払わせる。

  • 収買計画を実施するための契約を時折結ばなかったり、履行しなかったりして収買計画の遂行に支障を与えた場合、機関、企業所、団体に50万~150万ウォン
  • 直接収買承認を受けずに収買品を収買した場合、機関、企業所に50万~150万ウォン
  • 定められた品種以外の収買品を収買した場合、機関、企業所に20万~150万ウォン
  • 公民が違法に収買する行為をした場合、3万〜10万ウォン
  • 収買された収買品を密売したり流用したりした場合、機関、企業所には30万~150万ウォン、公民には2万~10万ウォン

第38条(中止処罰)

この法律第37条1、3、5号の行為について監督統制機関が是正を要求したにもかかわらず、欠陥を是正しなかった場合には、当該収買活動を中止させる。罪状が重い場合には閉業させる。

第39条(弁償処罰)

収売品の保管管理を怠り、収売品を破損、腐敗、変質させ、国家に損害を与えた当事者には、相応の処罰を与える。

第40条(没収処罰)

収買品を密売したり流用したりした場合には、違法行為に利用したり、違法行為で得た現金と物品を没収する。

第41条(警告、厳重警告、無補修労働、労働教養、更職、解任、撤職罰)

次の場合には責任ある者に警告、厳重警告処罰又は3ヶ月以下の無報酬労働、労働教養処罰を与える。

  1. 収買計画を科学的かつ現実的に立てず、機関、企業所、団体の経営活動に支障を与えた場合
  2. 公民を対象に収買計画を作成、苦しめた場合
  3. 収買計画の遂行を満たして関連単位の生産計画の遂行に支障を与えた場合
  4. 収買計画遂行のための契約を適時に締結しなかったり、履行しなくて収買計画の遂行に支障を与えた場合
  5. 収買手続きを複雑にしたり、収買者の便宜をきちんと保証できず、社会的物議を醸した場合
  6. 直接収買承認を受けずに収買品を収買したか、定められた品種以外の収買品を収買した場合
  7. 収買価格を合理的に定めず、収買事業に支障を与えた場合
  8. 収売品の保管管理を無視して国に損害を与えた場合
  9. 収買された収買品を密売または流用した場合
  10. 把握された収買実績資料を統計機関に正確に提出しなかった場合
  11. 収買事業に必要な資金、資材、物資等をきちんと保障していないか、又は保障された資金、資材、物資等を非法処分して、収買事業に支障を与えた場合
  12. 収買者を他の事業にむやみに動員して収買事業に支障を与えた場合
  13. 収買事業総和で公正性を守らず、社会的物議を醸した場合

上記の行為を繰り返したり、上記の行為で2万ウォン以上の財産上の損害を与えたり、収買計画を20%以上達成できなかったり、契約を破り、契約単位の計画遂行を30%以上に達成できなくさせた場合には、3ヶ月以上の無報酬労働、労働教養処罰または更職、解任、撤職処罰を与える。

第42条(刑事的責任)

この法律を破った行為が犯罪につながる場合には、責任のある者に刑法の当該条項に従って刑事的責任を負わせる。