米国の衛星が捉えた金正恩「危機的な状況」の証拠写真

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米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)は31日、米海洋大気庁(NOAA)の分析に基づき、北朝鮮で干ばつが深刻化しているもようだと伝えた。

それによると、NOAAは4月11日から5月22日にかけて撮影された衛星写真を1週間単位で分析し、朝鮮半島とその周辺の「干ばつ指数(Drought index)」マップを提示した。マップは干ばつの程度に応じて「中間」が黄色、「高い」が赤、「深刻」が濃い赤で示されている。

特に、5月2~8日と9~15日分のマップを見ると、朝鮮半島北部の多くの地域が赤く染まっており、南部の韓国と比べ状況が深刻であることがわかる。

また、最新のマップ(16日~22日)では、干ばつがいくらか和らいだ様子もうかがえるが、咸鏡北道は依然として濃い赤に覆われている。さらに、VOAは昨年5月のマップも掲載しているが、こちらには赤い色がほとんどなく、今年の危機度の高さが浮き彫りになる。

言うまでもなく、干ばつは農業生産に大きな影響を与える。コロナ鎖国で食糧難が深刻化しているところに干ばつまで重なり、北朝鮮国内では餓死者が続出し、治安が悪化するなど、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」を彷彿させるような現象が生まれていることが伝えられ始めている。

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実際のところ、北朝鮮国内からは3月の段階から、50年ぶりと言われる深刻な少雨による被害が伝えられていた。

韓国気象庁の観測によると、昨年12月から今年2月までの韓国全土の平均降水量は13.3ミリで、平年(1991〜2020年)の14.7%に過ぎなかった。北朝鮮も概ね同じ状況と見ていいだろう。

米海洋大気庁(NOAA)が作成した、北朝鮮の5月上旬から中旬にかけての干ばつ指数マップ(NOAA提供)
米海洋大気庁(NOAA)が作成した、北朝鮮の5月上旬から中旬にかけての干ばつ指数マップ(NOAA提供)
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ただ、韓国では灌漑施設も整っている上に、緊急支援が行われている。例えば、韓国農漁村公社は、少雨に対応するために、全国の165の市と郡で緊急地下水支援に乗り出し、大型機械による緊急の井戸掘り、貯水池の点検、漏水調査などを行っている。

一方の北朝鮮では、インフラが整っておらず、灌漑工事も人手だのみだ。デイリーNKの内部情報筋は、田植え前の田んぼも乾いてひび割れているとして、国に対して揚水機と灌漑用のホースの支援を求めているが、雨が降るのを待つしかないのが実情だと伝えていた。

また、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、現地の農場では昨年下された中央の指示に基づき、昨秋、稲収穫後の田んぼに大麦の種を蒔いた。元々は、4月末に収穫し、春窮期の食糧難を緩和するのに役立てる計画だった。

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ところが異常少雨で大麦が実を結ばず、収穫を待たずに鋤き返して大麦を埋めてしまい、田植えの準備に入った農場もあったという。

果たして金正恩体制は、この危機的な状況をどのようにして乗り切るのだろうか。