「ジャッキー・チェン」も刑務所行き…北朝鮮の高校生ら逮捕

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香港のアクション映画全盛のころに子ども時代を過ごした人なら、周りの誰かがブルース・リーやジャッキー・チェンなどのマネをするというのは、見慣れた風景だったことだろう。そんな他愛もない子どもの遊びも犯罪扱いするのが今の北朝鮮だ。

昨年12月の最高人民会議常任委員会第14期第12回総会で採択された「反動的思想・文化排撃法」は、韓流など海外文化を取り締まるための法律だが、適用例が各地で相次いでいる。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、「事件」の発端はある高校生の行為だ。穏城(オンソン)の人通りの多いところで、アクション映画のマネをしていたのだが、それを見かけたある住民が、禁止されている外国映画を見たものと判断し、保衛部(秘密警察)に通報した。

保衛部はそれから1ヶ月にわたって、彼を監視し続けた。クラスメートや、爆薬倉庫の警備担当の20代の兵士が、彼の自宅に頻繁に出入りしていたことを把握した。超特級非常防疫措置が施行されている今は、人が集まること自体が禁止され、違反者には厳罰が下されている。

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そして今月初めのある日の夜、彼の自宅を急襲した。ちょうど、若者たちが香港や米国のアクション映画を見ていた最中で、全員を逮捕した。

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若者たちは取り調べで、コロナで友達と遊びにも行けず、家にいるだけの毎日に嫌気が差して「犯行」を行なったと陳述した。

彼らに対する処罰だが、一般的に未成年に対して刑事罰は与えられない。ただ、彼らが高級中学校(高校)3年でまもなく卒業を迎え、成人扱いになることから、それまで待ってから刑事罰を下す予定だとのことだ。微妙な時期に捕まって処罰を受けることになった彼らは、悔しがっているという。

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彼らに対しては、外国映画視聴と国家防疫規定違反の2つの罪で、1〜2年の教化刑(懲役刑)が予想されているが、これでも軽い方に属する。

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これくらいの刑なら、保衛部に渡すワイロの額次第で大幅に刑期を短縮したり、もみ消したりできるはずだが、どうやら今回はそれも難しいようだ。

「家族がカネやワイロを渡せば釈放させることもできるだろうが、地域住民の通報でわかったことなので隠蔽が難しく、もみ消そうにももみ消せない」(情報筋)

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自分の息子が、社会に一歩を踏み出す直前で処罰を受けることになった親は、とても悔しがっているとのことだ。一方、同時に摘発された20代の兵士は、軍の保衛部に身柄を移され、現在取り調べを受けている。

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